起立性調節障害の娘と向き合うため介護休暇を取りました
天崎 剣
起立性調節障害(OD)のこと
はじめに
介護休暇を取ることにしました。
次女のために、です。
と書くと、かなりの重病人なんだろうなぁとか、未だ小さいだろうに可哀想、なんて思われるかも知れませんが、彼女は至って元気です。
中三の彼女は「起立性調節障害(起立性低血圧/OD)」と呼ばれる病気で、見た目には何の障害もありません。身体のどこかが欠損しているわけでもなければ、病気で寝たきりということもありません。食事を取ることも、遊ぶことも、普通に出来ます。
ただ、朝起きることが出来ないのです。
朝目覚めて支度をし、ご飯を食べて学校に行くというごく当たり前のことが出来ません。
午前中は身体が動かず、午後になってやっと布団から這いだし、夕方皆が帰ってくる頃になると、やっと普通の生活に戻ります。夜には皆とご飯を食べ、風呂に入って寝ますが、今度は眠ることが出来ません。昼夜が逆転し、朝方まで眠りにつけないのです。
命に別状はありませんし、明確な治療法もありません。
治る人は数ヶ月で治りますし、直らない人は数年間この病気と闘い続けます。
こんな不可解な病気になって早一年半。
中学一年生の冬に発症し、今は中学三年生。受験生です。
高校進学を控え、様々な葛藤がありました。
「高校だけが進路じゃない」という言葉は、かえって心を抉りました。
長女が高校での生活を謳歌する中、自分はそもそも高校には入れるのだろうかという葛藤が、次女にも生まれてきます。
職場の理解あって、介護休暇を三ヶ月取得させていただくことになりました。この際なので、これまでの経過や闘病生活、学校側や医療機関にしていただいた具体的な対応など、個人情報が明らかにならない程度に書き記そうと思います。
まずは、基本的な設定、環境から。
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家族構成(天崎家/7人家族)山形県在住
父(団体職員/事務)…実家まで車で7時間
母=天崎剣(会社員/営業)…実家までは車で30分ほど
長女(高校生)
次女(中学生・起立性調節障害)
長男(小学生)
三女(小学生)
次男(幼稚園児)
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核家族です。
親との同居はありません。
私の実家はそれほど遠くはありませんが、両親とも農家で殆どの時期忙しく働いているため、頼ることは出来ません。
私も夫も帰りが遅いので、学童や預かり保育をギリギリの時間まで利用している状況です。
また、子どもの数がそもそも多いので、仕事を辞めるという選択肢は採れません。
このような状態でフルタイム勤務し、子育てと家事をこなしていた私を、時間は待ってくれませんでした。
受験という人生の岐路に立っているはずの次女は、未だその実感なく、このままではヤバいと周囲の大人がはやし立てたところで症状が改善に向かうのかどうか、全く見当もつきません。
2018年6月1日から3ヶ月間、仕事を休ませていただくに当たって、周囲に多大なるご迷惑・ご心配をおかけしているところですが、せっかくお休みをいただいたからには、どうにかして結果を出さなければなりません。
ODは一般的にはまだまだ知られていない病気ですが、とても深刻な問題として教育現場でも捉えられています。
私の告白が、誰かの道しるべになれば幸いです。
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