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「これからどこかへ出掛けるの?」

「あ、はい。三人で外食にでも行こうかと思って」

「そうなんだ、いいね。奥さんのつわりも軽いんだったよね」

「はい。奈々子のときは酷かったんですけどね、安定期も過ぎましたし今も元気に食べていますよ。心配なのは体重が増えすぎないかどうか、です」

「最近は二人分だからと食べすぎるのはダメなんだってね。太ったら怒られるって聞いたことあるよ」

 確かに赤ちゃんや胎盤、羊水以上の重さが増えるのは計算上おかしいことになるわけで。出産時のリスクとか考えると食べ過ぎは良くないだろうけど・・・まぁ実際はそんな簡単なものじゃないだろうけどさ。ついつい周りも、昔ながらで『赤ちゃんの分も』とか言って食べさせちゃったりすんだよな。

「つわりが軽いから今度はそっちが心配で。でもまぁ僕としては好きなものをお腹いっぱい食べて欲しい気持ちも強いので。今日は野菜中心のヘルシーなお店にしました」

「ほう、それはいい。きっと奥さん喜ぶね」

「ななちゃんもおやさいすきーっ」

「奈々子も喜ぶな」

「あのね、ぱぱもおやさいだいすきなのー!」

「うんうん、みんな喜ぶな」

「えへへーっ」

 門脇君に抱きかかえられながら、背中越しに奈々子が大きく手を振る。もうすぐそこに小さな一人が加わるのかと思うと、自分のことじゃないのにどうしてかワクワクした気持ちになる。

 家族はやっぱり笑顔で笑い合っているのが一番いい。

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