青春の群像(第3部)

村上俊介

青春の群像(第3部)1 中国への出発の準備が終り、来週に新潟からウラジオストックに船で渡る事にしたのです、ハスポートは外交官用になっており、荷物を調べられることはありません、久


青春の群像(第3部)1


中国への出発の準備が終り、来週に新潟からウラジオストックに船で渡る事にしたのです、ハスポートは外交官用になっており、荷物を調べられることはありません、久保の話では、

ウラジオストックに中国の保安要員が通訳兼護衛に迎えに来る事になっており、特別滞在許可証を渡すので、北京の税関でも荷物の検査はなくフリーパスで入出国きるとの事です、


念の為装備をもって行く事にして、塚田に事情を話しトカレフと空砲のタマ弾倉分、警棒、防弾チョッキを借りたのです、もし合弁会社の幹部が青江一派とつるんでいたらどうする、

んですかと聞くので、青江一派にトカゲのシッポ切りをさせて会社から追い出すのです、何かの犯罪に手を染めさせれば青江一派は自分達に火の粉がかかるのを恐れてトカゲの、

シッポを切るでしょうと言い、


中国でも罪が重いのは麻薬です、そいつの会社のデスクから麻薬が見つかれば逮捕されますよ、知らないと言っても通用しないように、トイレで眠らせて麻薬を腕に注射しておきます、

用事があるので呼んで来るように社員にいえば、トイレに倒れているのが見つかります、そこで注射跡とポケットに入っていた注射器を見つけて、デスクを調べ麻薬を発見するわけ、

ですと言うと、


汚い引っ掛けですねと笑うので、麻薬が用意できればの話ですよと言うと、知り合いの香港マフイアに協力させましょう、合弁会社に原料の売り込みだと言う名目でいかせます、その、

者に持たせますので受け取ってください、その男を青江の仲間に合わせるのです、その男は次ぎの日には香港に帰りますので、その後に実行してください、薬の運び屋が渡した事に、

すればいいのです、


香港はイギリスの統治です、マフイアだとは分りますが手は出せませんと言うので、それなら完璧ですね、お願いしますと頼んだのです、仲間全員にやるとバレますので、次ぎの奴は、

べつな手を考えますよと言ったのです、北京にも香港マフイアと繋がっている者がいるので、北京で真一さんに接触させます、協力してくれますよと言ったのです、しかし、その香港、

マフイアは中国に入国できるんですかと聞くと、


賄賂の国ですから、金さえ渡せば行き来は簡単ですよ、奴らはそうやって裏の商売をやっているのです、麻薬も北京で密売し化粧品、衣類、電子機器等西側の品物を取り引きしており、

警察は知らん顔して摘発はしていません、タップリ賄賂を貰っているのですと言ったのです、出発の前日に壮行会をやると言うので、美樹の家に行くと、お父さんがこれまでに合弁、

会社に融資した明細と、


合弁会社から買い上げた物品の明細の金額を渡して、買い上げた物の中に水増し請求があり、それと思われる物はチェックしてある、合計額は融資金本体が15億で、水増しは5億くらい、

と想定される、この水増しした金が何らかの方法で青江一派の懐に入っているのだろうと言い、本社の粉飾の累積学はおよそ15億に達している、日本の売上げが原価率3割りだとすると、

50億分の売上げに相当する、


粉飾をやめて修正すると、利益を差し引いても10億は赤字決算となる、過去5年間で毎年3億の粉飾を行っていた事になる、修正申告すればおよそ半分の7億が還付されるが、それでも、

赤字が8億はでる事になる、融資した15億を毎年2億づつ返済して、合弁会社が赤字をださなければ6、7年で正常にもどせるわけだ、ともかく、これ以上は資金投下できないところ、

まで来ているわけなんだと言い、


中国以外は国交があり毎年多額の援助を政府が行っているので、外務大臣に現地の合弁会社の製品をその国の役所が優先的に買い上げる条件をつけて貰う事にする、それが出来ない、

けれ撤退するしかないだろう、そうなれば政府の面子がないので受け入れるはずだか、問題は中国だまだ国交が正常化していないので、この方法はとれないんだよと話したのです、


今回北海油田開発に参加する為ソ連と日本政府は協議しているんでしょうと言うと、骨子が決まり来月にも調印するそうだと言うので、決まれば多額の資金援助するはずです、それ、

に上乗せして援助して、その分はソ連から中国に先ほどの条件をつけ渡してもらうのです、ソ連と中国は国交がありますので大丈夫なはずです、ソ連も否とは言わないのではと、

言うと、


なる程迂回融資か、国内では禁止されているが、国同士なら関係ないわけだ、それは良い方法だ、中国政府が優先的に買いあげれば必ず黒字になる、それで融資金を返済させればいい、

のかと言うので、今回経営にたずさわる中国人は楽でいいと思うでしょうが、彼らには民間への販売強化させるのです、青江一派の息のかかった奴らを追い出せば、キット上手く行き、

ますと言ったのです、


この資料を分析してみます、どうやって青江一派にわたっているかを暴いてみましょう、お父さんは本部の粉飾が他にないか、再調査してみてください、その他に在庫原価の操作を、

やっているはずです、評価を上げれば利益がでます、また下げれば損金がでますが、下げるのは税務署が厳しくチェックしていますので、中々難しい、上げる分は税務署は目を瞑っ、

てきたはずです、


在庫品は債権ですから利益と連動しています、合弁会社と同じで幹部に関係している会社からの水増し請求で暴利をむさぽっているかも知れませんが、調査の結果がでても知らん顔、

して下さい、何らかの方法で取り戻しましょうと言うと、なる程さすが経済を学んでいるだけあるな、僕よりず~と経営的素質があると笑ったのです、最後に資金の面ですが、明ら、

かにして、


赤字決算になった場合、メインバンクはどう出るのでしょうかと聞くと、恐らく融資を絞り、貸しはずしにでるだろう、但し頭取が再生の為に英断をもって融資続行を言えば別だが、

そうすると、もし上手くいかない場合頭取は辞めざるをえないだろう、英断しくれればいいがと言ったのです、それを聞いていた美樹は頭取の息子との付き合いを断れば少なからず、

とも影響するに違いないと思ったのです、


真一がよく分かりました、政府との交渉を是非成功させてくださいと言うと、お父さんが精一杯頑張るよと言って、話はこの位にして、食事にはいろうと言うので、ダイニングルーム、

に行き、いつもの通りお爺ちゃんの祈りで乾杯して食事に入ったのです、見るとお頭付きの鯛の塩焼きがあるので、前祝ですかと言うと、お母さんが真一君の無事と仕事の成功を祝う、

為に、


勝浦に出かけて釣ってきたそうよと言ったのです、これを食べれば失敗するわけには行きませんねと笑うと、傍にいたシエフが真一さんが失敗するわけありませんよ、何と言っても、

お釈迦様がバックについているんですから、中国は仏教国ですから影に日向に助けてくれますよと笑ったのです、お爺ちゃんが僕からも外務省に頼んで見よう、下から突き上げれば、

上手く行くだろうと言ったのです、


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