援軍、駆けつける


 170-①


 フリードが顔を上げると、そこには見慣れた背中があった。


「しっかりしろやフリード、『生まれた日は違えども、同年同月同日に死のう!!』って誓ったんや……お前が死んだら、俺も死ななあかんやろが?」


 そう言って武光はニヤリと笑った。


「あ……アニキ!!」

「隊長……!!」

「隊長殿……っ!!」

「武光隊長!!」

「皆……大丈夫ですか!?」


 武光に続いて、今度はナジミも広間に入って来た。


ねえさんも来てくれたのか!!」


 突然の乱入者にクレナ達と交戦中だった01と03も武光の方に向き直った。


「ああん!! 誰だテメェらは!!」

「誰でもいいじゃない♪ こいつらも殺しちゃおー♪」

「オイ、お前ら」

「あぁん!?」

「なーにー♪」

「気を付けろよ?」


 武光の言葉に01と03が首を傾げたその時!!


「火術……炎龍!!」

「ぐあああっ!?」


 凄まじい炎の奔流が01を呑み込んだ。


「ちょ……ちょっと01!? はっ!?」

「秘剣……業火剣乱!!」

「うっ!?」


 01に気を取られていた03はふところに飛び込んで来た何者かに左腕を切り飛ばされてしまった。


 広間に現れたのは、その手に槍を携え、白のロングコートを纏い、知性溢れる雰囲気を持った中年男性、そして、宝石や貴金属による豪華な装飾が施された純白の鎧を身に纏った、気品溢れる若く美しい女性だった。


「貴方達、一体何者なの……!?」


 02の問いに対し、乱入して来た男女、それと武光とナジミは、何故か横一列に並び!! 意味も無く腕を組んで仁王立ちし!! そして必要以上に、過剰なまでに、やたらめったら、熱く名乗った!!


「アナザワルド王国宮廷術士、リョエン=ボウシン!!」

〔ソノ アイソウ テンガイ!!〕


「アナザワルド王国第三王女、ミト=アナザワルド!!」

〔ミト=アナザワルド様がつるぎ、カヤ=ビラキ!!〕


「アスタトの巫女、ナジミ!!」


〔超聖剣イットー・リョーダン!!〕

〔魔穿鉄剣!!〕

「天下御免の斬られ役!! 唐観武光ッッッ!!」


 四人と四振の刀槍は高らかに叫んだ。



「元祖武刃団……参上ッッッ!!」



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る