屑籠
りょう(kagema)
精神的廃墟の住人
私の心には廃墟がある。
私の心は廃墟に住んでいる。
暗い夜の森の中で、ひっそり崩れさった廃墟、残骸、
暗く、じめじめとして、蛆のわき、
ただひたすらに月を眺める。
月は私が求める全て。
あるのは、永遠の孤独、
夜空に星はいらない、
ただひたすらにまっくろな空が広がっていればいい、
ただ月だけが私をてらしていてほしい。
月がない日は、真の暗闇の中、私は、くるしみ、もだえ、わめき、なきさけび、ながら、月がやってくるのを待つのだ。
生まれてこの方、もうずっと月はのぼらない
月なんてものが、実在するのかどうかさえわからない。
月の光を一身にあびたい、
月は私だけを照らすのだ、
木も、草も、タヌキも、クマも、月の光何てあびなくてもいい、私だけが月の光をあびるのだ、私と、私のすみかである廃墟だけが光を浴びるのだ。
月よ、永遠に、天高く、かがやけ、
かけてはいけない
かくれてもいけない
ずっと、そこでかがやいていてほしい
もし、月などというものがあるのならば。
もし、月などというものがないのならば、
私は頭をうちつけ死んでしまうかもしれない
ただ、ひたすらに、今日も、見たこともない月をながめて、もだえている。
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