第4話 戦士と魔術師の闘い方

魔術師が敵を攪乱して戦士が仕留める。

または戦士の攻撃を魔術師が補佐する。

戦士と魔術師が共に戦う際の基本戦術である。


戦闘に長けた魔術師ほど、自らの攻撃魔法で敵を仕留めるより、戦士のサポート役に徹しようとする。

相手が強敵であればあるほど、この戦法は有効であり、戦士にとっても魔術師にとってもより安全なのだ。


カナはダンの魔法攻撃による魔人へのダメージの大小は、はなから気にしていなかった。

ただ自分が攻撃するための隙が出来さえすれば良かったのだ。


カナは父に習った基本の構えから攻撃に移った。

自分より大きな敵に出会った時は重心を低くし、中段に構えた剣をやや斜め後ろに引いて飛び上がりやすい体勢をとれと。

その教えを忠実に守り、そして飛び掛かった。


大きく跳躍し、魔人の左の首筋を狙って剣を振り下ろす。

しかし、誤算だったのは、ダンの鎌鼬では魔人に隙を作ることさえ出来ていなかったという点だ。

魔人はカナの攻撃に慌てる事もなく、カナが剣を振り下ろすよりも先に左腕でカナの小さな体を薙ぎ払った。


カナは凄まじい勢いで吹っ飛ばされた。

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