最初は主人公たちのやりとりを、ああ若いなあなどと自分の学生時代を懐かしみながら読んでいたら、なんということだ!
「黒い錠剤」の正体になあんだと拍子抜けしてからの、ですよねーという流れと言えばそうなのだが、するするっと読み進めていける文章力の高さと、一人称文体の没入感で、背筋が寒くなった。
全ては主人公の主観で描かれており、事実は、真実は闇の中。ただ、ふと作品ページに戻ってきて、このキャッチコピーと、白野くんの発言やその「末路」を見返すと、ある閃きが湧いてきて、更に心胆を冷やした。
こんな風に不意打ちで刺されるとは思わなかった一遍。一万二千文字ほどなので、ゾッとしたい方はぜひお読みいただきたい。