バジスバジスの仲間

 わかりやすく説明すれば以前紹介したスカーレットジェムもこの仲間である。

 スカーレットジェムを除いてバジスバジスの仲間は国内にて違う種類にも関わらず、同じ名称で販売されているのでネット通販等で購入する際には添付画像をよく確認しないとほしいサカナが入手できないトラブルが発生しやすい。


 本種の説明が長くなりそうなので、まずは混泳について解説する。

 混泳難度はスカーレットジェムと同様ながら、単種複数飼育をしやすい種類が多いので脅威になるサカナがいないような環境だと自然繁殖を狙うことも可能。これの応用として本種をスカーレットジェムのいる水槽に多数入れることで、ペアをつくりスカーレットジェムの血を引いたサカナの繁殖を狙うことが可能である。繁殖を狙う場合にはペアができた段階でペアか他のサカナを別の水槽に移すのが望ましい。ただ、同じサカナ同士で繁殖させるのと同じようにうまくいくかは未知数。

 多種との混泳は本種が最小クラスのサカナであることを考えて、ミクロラスボラや小型ダニオの仲間が最も安全であるが、コリドラスなどの底面のサカナならば全く問題はないと考えていい。だが、本種の仲間は貝やエビが好物なのでそれらの生物を同居させるなら、かなりの被害を覚悟してほしい。ただし、本種の仲間は人工エサに餌付きにくい個体も多いことから最終手段としては用意しておくべきである。


 さて、本種の解説である。

 スカーレットジェムの時点で引っかかっていたことであるが、本種の仲間の生物学的な情報が少ないことを不思議に思っていた。飼育経験を記したブログはもちろん、図鑑ですら情報が少ないからだ。

 私は幸いなことにイタリア文化が好きな影響でラテン語に馴染みがあったので学名に使われるラテン語に抵抗がなく、時間があるのをいいことに海外情報も漁ってみたところ本種の仲間は2000年頃に正式な論文として発表された種類が多く、ただでさえ情報が少ないようなのだ。

 本種を生物学的に分析した論文を発表したのはスウェーデン人のスヴェン博士ともう一人で、元々フランシスブキャナン氏による1822年のバジスバジス種の報告から、それらを細分化したようである。もちろん私の英文の理解度はあまり高い方ではないので、この文を自慢げに語ると私の文から引用したのがまるわかりの恥ずかしい間違いすらも引き継ぐことになりかねないので、当文章の知識はあくまで個人的な知識の補充材料とし、本家本元の論文を翻訳家の友人にでもお願いして翻訳してもらうことを強く勧める。

 

 とりあえず私が本種について理解できたのは魚類の中でも3176種が含まれるスズキ目スズキ亜目の仲間であり、その中のナンデゥス(ナンデス)科に本種が分類されることである。

 特に本種の仲間は3亜科4属21種存在し、私が分かるだけでも2タイプのサカナがいる。このためにスカーレットジェムの繁殖を考える場合には学術的な知識も必要と考えたことで説明が長くなってしまっているがもう少しお付き合いいただきたい。

 まず、スカーレットジェムのような赤いスズメダイのような見た目なのはスカーレットジェムだけのようであるが、これによく似た姿の状況により体色の明暗を変化させる子メバルのような姿の種類が5種類程度いるらしい。スカーレットジェムの繁殖に応用、またはスカーレットジェムのようなサカナを飼育したい場合にはこの知識をヒントに画像を確認すれば違うサカナが来ることはないだろう。

 これとは別にベラのような姿の仲間もおり、本種ではこちらの方が色彩の派手さからバジスバジスとして扱われることが多いようである。特に胴長で背ビレや腹ビレも長いことから見た目のインパクトが強いのが特徴であり、スカーレットジェムに似た種類がいぶし銀のような体色に赤茶の縦縞なことを考えると、地味なこちらは欲しがる人が少ないと思われてしまうのだろう。

 

 おまけとして、メバルはカサゴ目、スズメダイやベラはスズキ目ベラ亜目であることもこちらに記載しておく。これらはどれも海水魚である。

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