サカサナマズ

 ヘンなサカナの代表格。

 コリドラスのような底面のエサを食べるのに適した口でありながら、逆さ向きに泳ぐことで積極的に水面のエサを食べる不思議な生態を持つサカナ。しかも原産地では大群になるとのことだが、どんな光景なのだろう。


 飼育してみるとわかるが、常に逆さ泳ぎではない。飼育環境下では水面から側面のガラスをなでるように降りていき、底面ではただのナマズに戻る。というより、普段から面に沿って泳ぐ過程で逆さ泳ぎになるだけで、逆さ泳ぎにこだわりはないらしく普通に泳ぐことすらあるので、珍魚を買ったと思ったらただのナマズだったというオチになりかねない。逆さ泳ぎができる時点で特異な進化ではあるが、逆さ泳ぎを常に見れるとは思わないように。

 個人的には底面で休んでいる姿がナマズの仲間の中でもかわいい姿に思えるのでそれで満足しているが、逆さ泳ぎが見たいなら他のナマズ類や流木等は入れない方が良い。でないと底面の生活が快適なので逆さ泳ぎをほとんどしなくなったりする。


 混泳に関してはナマズ類を除いて不向き。特に眼があるのに食事はヒゲで感知したモノが口に入るサイズなら食べるスタイルなので、エビや最小サイズのサカナは捕食される可能性が高いので避けること。ただ、水草が繁茂している水槽ならば本種の行動が制限されるうえに、サカナやエビの避難場所になるので水草をしっかりと用意できれば捕食されるリスクを大幅に減らせるので、水槽環境の準備さえできれば小型の種類も混泳できる。

 何より本種は他種に興味なく気ままに生活するサカナなので、口に入るサイズの混泳相手でない限りトラブルはないだろう。


 おまけとして、本種において特に注意すべきこととしてエラ蓋にかなり鋭いトゲを備えているので、絶対に素手では触らずにコップ等に入れて移動などはすること。さらにいえば緊急時には逆立てることすら可能な可動式らしいので扱いは慎重に。

 最後に導入時や水換え時に体色が薄くなりやすいサカナだが、熱帯魚の中では丈夫な方なのであまり心配しないように。

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