ゴールデンハニードワーフグラミー

 一番好きな熱帯魚なので書きたいことはたくさんあるが、まずは簡潔に。

 間違ってもゴールデングラミーは買わないこと。倍以上の中型・大型サイズになる別種である。ドワーフグラミーの仲間が小型サイズなので、「ドワーフ」という名前がついたグラミーを必ず確認して買うこと。

 名前が長いのでGHDと表記されることもある。


 とても丈夫で飼いやすい。だが、混泳には不向きである。

 ブログやまとめサイトには混泳できるなどと無責任に書いてあるが、本種のメスは好奇心旺盛で他種にちょっかいを出す。また、普段のオスは極めて大人しいが繁殖期になると水面に泡で作った巣を作り、巣を守るために凶暴化して同種他種問わず攻撃する。これらは相手を殺したり傷つけるようなものではないがストレスになるので、攻撃する側もされる側も短命になるリスクがあり小さな水槽や薄型の水槽には向かない。


 その一方で、小型グラミー種に特化した混泳水槽には必須の存在でもあるし混泳に不向きとは書いたが、混泳に不向きなサカナの中では最上位にくるほど大人しい部類である。さらに水槽の招かれざる客のほぼすべてが本種のエサであることは飼育者の不快感や手間を未然に防ぐ役割を果たすので、混泳させるデメリットよりも混泳させるメリットの方が大きく上回るといえる。そのことから多少のリスクはあるが、小型熱帯魚混泳水槽を考える上で必要なサカナではある。

 よって、水槽全域を自由に泳ぎまわる黄色いサカナが欲しくなったら導入を考えてほしい。特に飼育者の好みで水槽のサカナが上層や下層に偏ったり、サカナの形が平べったいのや細長いのに偏ると身内から珍魚水槽扱いされるので、アクセントとして入れるとおしゃれだったりもする。


 おまけとしてテッポウウオの仲間なので水鉄砲が撃てたりする。水槽には元々限界水位がダム同様にありそれを越える水鉄砲は撃たない。だが、水槽に水を入れすぎると外に水が飛び出す原因になるので注意すること。

 さらに、丈夫さの理由として水の循環が緩やかな池や湿地のサカナということもあり低酸素環境に強く、熱帯魚の代表格ベタの親戚みたいな種類なのでラビリンス器官(迷宮器官)という呼吸器官を持つ。これは水中から酸素を取り込むエラとは別に、迷宮のように複雑に張り巡らされた血管がエラ蓋の裏側に存在することで水上に口を出して酸素を空気中から取り込む事が出来るという特殊な生態である。なお、迷宮器官は補助的なものなので水中にも酸素は必要である。

 ちなみにドジョウやコリドラスなども空気中から酸素を取り込めるがこちらは腸に取り込んだ空気から酸素を吸収しているので、別の仕組みである。

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