MADBORN

鸚澱

Ones,I am MADBORN

やあみんな。オレだよ。誰だって顔してるな。文面じゃ伝わりにくい?残念。これを書いてるインポ野郎は絵が書けない。何?元々イラストなんか見れない?あー言えてる。

さてと。話は変わるけど、今オレ、絶賛死の舞踏の真っ只中。何故かって?まあ話を見てたら分かるよ。


*─*


事の発端は、1つの依頼からだ。


「はいはい、何でも屋マッドボーンだ。またの名をエヴァン・マホーン。用件をどうぞ」


オレはいつものように電話をとった。それはもう滑らかに、変わりなくね。

声の主は嗄れた声。声から顔を想像するのは難くない。


「暗殺してほしい奴がいる」


1番めんどくさい依頼だ。恋人の喧嘩の仲裁や、クソババアとセックスするぐらいのほうがまだいい。だが、殺しは準備や後始末があるからめんどくさい。


「金さえくれるなら誰だって。で?いくら出せる?」


「1億ドルだ。それが最高だ。その後も頼むかは今回の出来次第だ」


勿論、即了承。金にはがめつくって、受精卵の時から言われ続けてたからね。


「で?誰だよ、殺して欲しい相手」


「それは追って話す。今から指定する場所へ来い。話はそれからだ」


*─*


さあ、回想は終了。ここからが冒頭の続き。


「暗殺してほしい相手を言ってなかったな、マッドボーン」


「ああ、そうだなイカレクソ野郎。キンタマの皮が伸びきったみたいな頭しやがってクソッ!」


「口が減らないな。お前が今どんな状況なのか分かってるのか?」


「十分すぎるほどな」


そりゃ、四方八方に黒服の男がアサルトライフル構えてりゃ、自分の危機ぐらい分かるだろ。


「暗殺の相手は、お前だマッドボーン」


だろうな。この状況で違う奴の名前言ったら、それこそイカレクソサイコ野郎だぜ。


「あー……オレなんかアンタらに酷い仕打ちでもしたかい?身に覚えがないんだが」


「私たちには何もしていないさ。私たちにはな」


オレと同じタイプのやつか。あー油断した。


「なら殺される前に一つだけいいか?オレちゃん、まだハニーに告白できてないのよ。これが悔いで化けて出られても困ると思わないかい?」


「思わないね。少なくとも私はな」


慈悲もねえ奴。銃口を俺のどタマ目掛けて降ろさねえ。クソっ、気を引けるかと思ったんだがな……。


「あー分かったよ。観念してやる。撃てよほら?」


「後で、お前のハニーとやらもお前の方へ送ってやるから感謝しな、マッドボーン」


はいはい、送れたら……ね。その発言を最後に、銃弾が雨あられと降り注いでくる。あー、意識が遠のいてく。こりゃ死ぬかな。ハニー、最期に一目会いたかった────


「なんてな」


まず一人。頭から鮮血が噴き散る。


「オレのことを殺るつもりなら、もう少し調べてくるべきだったなキンタマジジイ」


ジジイは呆気に取られた様子でオレを見てる。他の奴らもだ。死んだ奴の方を見向きもしない。なんて薄情なヤツらだ。


「ッ!何をしてる!早く撃ち殺せ!」


おっと、寝惚けちゃいられないな。壁壁……


「ねえじゃん、防げる壁」


花火が散るような音とともに、オレの体に穴が開く。痛てて!


「流石に痛えっつうの!」


二、三人!クソッ!走ながら撃ったせいで一弾無駄にした!


「こういう時って普通、オレの方が有利なんじゃねえの!?主人公ってそういうもんだろ?」


違いねえ。


「独り言をカマすとは随分余裕だな、マッドボーン!」


「ああ!そうだなジジイ!お年寄りの話はなげえだろ?聞きたかねえよ説教じみた話」


「私の話は、その辺の平和ボケしたジジイとは長さが違う。それに内容も濃い」


「ジジイって自覚あったんだな。そこは評価するぜ」


隠れてたトラックごと撃ち抜かれた。腹に土手っ腹が空いちまった。クソっ。


「四人目!」


トラックの影から飛び出すと同時に四人目キル。さながらデッドプール。フゥ♪オレちゃんの尊敬するデップーと同じことできた。映画の方だけどな。


「貴様の動きは奇っ怪で読みづらいな!さながらデッドプールだ」


「同じこと考えてんじゃねえ気持ち悪い!」


喋りながら戦うと、どっちに集中していいかわからなくなる時がある。今は銃口の先に集中してるが、このジジイ、気を反らせるのが引くほど上手い。


「九人!」


これで主犯格ジジイを残す全員をキルした。PUBGならもうドン勝してもおかしくない。


「残るはおしゃべりクソジジイだけだな」


「おしゃべり何でも屋に言われたくないね」


いちいち癇に障るジジイだな、ったく。


「早撃ち勝負とでも洒落こもうか、若造」


「マッドボーンって呼んでくれないのか?オレちゃん寂しい」


「くたばれゾンビが!」


アサルトライフルから放たれた銃弾は、すべてオレを貫通して後ろの壁に銃痕を残した。

けどオレはピンピン。ふぅー!オレの能力すげえ便利。


「クソっ!なぜ死なない!お前の能力は高速治癒と身体能力強化だけのはず!」


「あー、公開してる能力はな」


「……何?貴様、今何と……!」


「冥土の土産に持っていきな。オレの能力は、"不死身"もあるんでな」


オレは躊躇なく、相手の眉間めがけて引き金を引いた。

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