漢字の開きと山葵醤油
溜め込む前に吐き出せ。
がスタンスの海底作家海水の暴言のお時間だ。
今回はどちらかというと初心者作家さん向きの愚痴だ(酷い
自分の作風を自覚されている中級から上の方々はこんな駄文を読まないで執筆に勤しんで欲しい。
そして面白い作品で「なろう」を盛り上げて頂きたい。
私も読みたいし。
今回のお題はというと
『漢字』
だ。
何を今更、と言いたいだろうが、まぁちょっと話を聞いてくれ。
ちょっとな。
ここ「なろう」では一人称が大盛況だ。
というか一人称にあらずんば、な勢いで私のメインストリートの三人称は物置の隅っこでガタガタ震えている状況だ。
でも神様にはお祈りしたから大丈夫。天国には行けるさ。
まぁ、そんな事は良いんだ。
気になるのはそこで見かける「難しい漢字使ってる俺カッコいい」な方々だ。
漢字という物は大雑把に『常用漢字』と『それ以外』に分類される。
『常用漢字』というのは、読んで字の如く普段使うような漢字というニュアンスだ。
2136個もある(wiki調べ)
パソコンなんかで漢字を変換すると、まずこいつらが出る。
スマホだと変換できないことか多くてフリスビーにしてやりたくなる時も多いが。
さて本筋に戻ろう。
この漢字が、小説においては結構重要かつ曲者だ。
漢字とは表語文字である。
簡単に言うと、音と意味を兼ねている文字って事だ。
文字そのものが意味を持つというのは、小説においては非常に強力な武器だ。
漢字一文字で台詞の代わりにもなってしまう程だ。
「否」「応」「是」「嫌」
使いどころによっては熱い場面にもなろう。
密会など言葉少ない場面でも活躍するだろう。
極寒の地では口を開きたくないから言葉少なになるだろう。
二文字で熟語になれば、それはまるでまったく奥ゆかしさを感じさせない変幻自在のニンジャだ。
イヤー!
また逸れた。
その漢字であるが、こと小説では曲者でもある。
常用漢字でもあまり使われないムズカシイ漢字は読めない人も多い、という厳しいゲンジツの壁にぶち当たる。
じゃぁひらがなで。
このように漢字をひらがなに直すことを『開く』という。
ケジメ案件でセプクするが如く、文字をばっさりと斬ってしまう
かどうかは知らない。
ムツカシクテヨメナイヨママーン、という全国のキッズの声に応えるためなのか、昔からこうなのだ。
分らない時は『何でも知ってるお姉さん』に聞くのだ。レッツゴー。
さてこの『開く』であるが、実は作風にも関係してくる。
和風で由緒正しき云々なんて作品には漢字が似合う。
退魔物なんて「ごちそうさまでした!」といってしまうだろう。
18世紀英国でのミステリーなんかにも似合うだろう。
「ホームズ様ステキ!」などどと黄色い声も上がるだろう。
逆に異世界転移転生もので読めないような難しい漢字は似合わない。
頭が弱そうな主人公が異世界に行ったからと言ってスゴイムズカシイ漢字を使っていたら「どうなのこれ?」と思ってしまう。
私は即ブラウザバックする。
般教絶倫な主人公だったらいいかもしれないが、そんな主人公が「やれやれ」なんて言ったら、やっぱりブラウザバックだ。
教養のある人物ならウィットにとんだニヒルな言い回しをして欲しい。
実はこれが作風になって行くのだ。
さて、この駄文のタイトルをご覧いただきたい。
漢字の開きと山葵醤油。
『山葵』
何と読むか。
『わさび』だ。
これを漢字で『山葵』と書くかひらがなで『わさび』と書くかカタカナで『ワサビ』と書くか。
どれが自分の作風に合うか。
ちょっと考えて欲しい。
なんでこんな事をクドクドと言っているかと言えば、小説を読んでいる最中に難しくて読めない漢字が出たら読者は一旦現実に返ってしまうからなのだ。
そう、没頭して読んでくれていたのにもかかわらず、去っていくのだ。
これは悲しい。
物書きの決まりに『中学校レベルの言葉で書け』というのがある。
これは、つまり、こ−ゆーことだ。
勿論、作風に合わせて思いつく限りの美麗な漢字で埋め尽くしていく作品も、ありだ。
それは作者が作風が分っているからだ。
漢字の海で思う存分あらん限りの力で泳ぎたい時もあるものだ。
読者もそれを求めてやってくる。
素晴らしい文章と漢字の雨を浴びたいのだ。
まさにWIN-WINな関係といえる。
ちなみに、私は頭が弱い部類に入るので難しい漢字羅列は苦手だ。
それは私の作風からも感じ取れるだろう。
よって和物、中華物には殆ど手を付けない習性がある。
だって私は所詮海底に漂うしょっぱい水だもの。
最後に「俺は絶対にムズカシイ漢字を使いたいんだ! 絶対にだ!」という方にお願いだ。
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