少しだけ怠惰なお姫様の恋物語
TAMA
第1話お見合いの話がきた!!
私はリリィ・ヨダール。このヨダール帝国の王女です。
皆にはリリィと呼ばれてます。これは私が体験したとても勇敢な執事とのお話…
ある日の朝私は目が覚めました。
「ん…ふあああ」
大きな欠伸をして背伸びをしているとドアのノックがなりました。
コンコン
「はい、どうぞ」
「失礼します。お嬢様」
「あら、クローク。私達は小さい頃から一緒なんだからそんなに畏まらなくていいって何回も言ってるでしょう?」
「お言葉ですが、お嬢様は王女、私(わたくし)はぼつらく没落した国の王子です。最低限の言葉使いなどはしておかないと……」
「じゃあ二人の時は崩した言い方でって言うのはどう?」
「……分かったよ。リリィ」
この執事はクローク。私とは幼馴染で小さい頃から
私の世話をしてくれています。すると
「そんじゃ、着替えるぞ?」
「えーめんどくさいー」
私はそう言ってベットの上をゴロゴロしました。
「ったくリリィは何でいつもそうなのかねぇ…」
そう言って執事は私の寝間着を脱がせて
少しゴワゴワするドレスを着せました。
「いつ見てもリリィの肌は綺麗だよなあ」
「いきなりなんなの?」
「いや、焼きたてのパンの中みたいにふわっ、もちっ、みたいな感じがして美味そうだなって思って……」
「私の美しい肌を見て思ったことが美味しそう…ですか!?まったく、レディを裸にしてそれを美味しそうなんて言うのは…あの、その、おかしいですわ!」
私は顔を真っ赤にしていたのでしょう。からかうようにクローク画言いました。
「もしかして、恥ずかしいのか?相変わらず可愛いいなーお・じょ・う・さ・ま」
「うるさい…うるさい、うるさい、うるさいわよ!からかうのもいい加減にしてよね!!」
「はいはい(本当の事を言ってるだけなのに…リリィは信じてくれない)」
そんなこんなで着替えをして髪を整えて支度が終わりました。
もう、毎朝恒例となっているやりとりです。さて、朝食まではまだ少し時間があるので読書でもしてようかしら?でもまだ少し眠いから横になってようかしら?椅子に座って“ムムム”と悩んでいると横からクロークが
「朝食までは時間あるけど寝転がってはだめだぜ?横になるとリリィはスグに寝ちまうからよ…」
じっとこっちをみていました。仕方ない読書でもしようとおもったらクロークが最近の流行りと言って英雄譚を出してきた。
「この本は最近出たばかりなのですが、とても人気で入手が困難らしいですよ。ぜひ読んでください」
「ええ。それでは読んでみますわ。朝食の時にもう1度呼びに来て下さる?」
「かしこまりました。それではまた後で」
キィバタン…
扉が閉まりました。
では、読んでみますか。
〜姫様読書中〜
ふぅー。読み終わりました。とても面白い本でした。辺境の地の騎士が高貴なお姫様に恋をするけど、両家の許しがです、駆け落ちする。というベタベタなお話なのですが所々入れてくるお姫様の怠惰さがとても面白く共感してしまいました。そんなふうに思っていると…
コンコン
「どうぞ」
「失礼します。朝食の用意が出来ましたので、中央の部屋へ行きましょう」
「わかりました。それではいきましょう」
移動しながら本のことを話しました。
「さっき貴方から借りた本を読みましたがとても面白かったですよ」
「左様でございますか。お嬢様にもそのような事が起きるよ良いですね」
ニヤニヤとしながらクロークが私に言いました。
「まぁ、貴方って人は全く…そもそも私はあなたのことが………」
「え?なんと仰ったのですか?」
「なんでもないです!!」
そんな事を話してる間に中央の部屋に着きました。
「おはようございます。お父様、お母様」
「あぁ、おはようリリィ」
「おはようリリィ。今日も一段ときれいね」
「うふふ、ありがとうございます」
今日の朝食は、焼きたてのパン、ソーセージ、サラダ、ミルク、果物です。みんなでお話しながら食べているとお父様が急に
「リリィよ、ちょいとと見合いをしてみないか?」
「どうしたんですの?お父様。急にお見合いだなんて」
「いや、私ももう年だ。そして我が家には王子はいない。だから最近の戦で功績を挙げる名家から婿として次期皇帝である娘を支えて欲しいと思うのだ」
「そんなの嫌です。会いたくありません。私には好きな人がいます。」
「そんなことは関係ない父であり皇帝である私の決めたことだ。反論は認めん」
「そんなの、あんまりです!ならばお父様とお母様は何故結婚したのです?愛し合っていたからではありませんの?」
「ええいうるさい」
お父様はそう言ってテーブルを“バン”と叩きました。そして朝食が終わりました。父は強引にそのお見合い相手の写真を私に渡しました。それを見て私はとてもおどろきました。凄く整った顔の方なんですもの。でも私は惹かれなかった。
「はぁ…」
ベットにダイブをしてジタバタしているとクロークが入ってきて
「あれ?お嬢様なにをしているのです?あ、さては旦那様に貰った写真をみてドキドキしてるのですかぁ?」
「いいえ。そんな事はありませんわ。このような男の人私は会いたくありません…」
そう言っているとクロークは私の前に机の上に置いておいた写真を持ってきました。
「勝手に触らないで!!((パシッ」
写真はひらひらと床に落ちた
「これは、失礼致しました」
「出てって」
「かしこまりました。失礼致します。」
「それでも私は嫌なんです…。本当に好きなのは…貴方だけなんだから」
複雑な思いを心に抱えながら
窓の外の轟々と輝く太陽に照らされました。
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