青のうた

@Blmunder

世界ときみの空

世界は回転している。


ところで窓外は黒烏と白天井とで平行線上に埋もれ、

その光は堰を切った人屋を静かに啓蒙していた。


私は南南西約2mにある小綺麗な口紅を手に取り

ぐるぐるぐるぐる、と単調な曲線運動をしてルーティンを簡単にやってみせた。


また私はふとした動機で、また気晴らしに鏡を見てみようかと思ったので、

すぐさま西北西約3mの洗面台の取り付けの鏡にゆっくりその顔を近づけてみせようとした。


だが途中に、酷く閉ざされた玄関が壁と壁の深淵に挟まっていたものだから、

私は消さないゲームデータを消すときみたいに素振りを想像しながら、

11年前の靴をそうっと、またそうっと、ベコベコと音を立てつつも

覆面を行ってみることにした。


そうすると何だかめまいがして、急に乾いた石の床に

土下座をしてしまったのだけれど、あれはいま考えるとめまいだけではなく

これから起こる倦怠からの救済だったのかもしれない。


触媒で、

また様々な思案が脊髄をすり抜けて耳と血の薫りさえしたし、

それは遂に私の境界価値上の再構築を行ってくれなかった。

ですよね?


15秒で私のアイドリングは終わり、聳える熊色のドアを丁寧に開けた。


さて、最初は私の身体もそのパノラマの輝きを相容れなかったが

時間がすぐにそれを溶かしてくれた。


その為に

木造アパートの外廊下からでも、世界が回転をして、きっと雲が動いて、

それはそれは綺麗な蒼空が斜上前方に鋭く輝いてるのが、

くっきりと、そのくっきりと、確かめることが出来たので、



僕は、その口の華とこの世にさよならを告げた。
















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