2018/10/15 『春のお妃選び競技会』あとがきとおまけ

https://kakuyomu.jp/users/freud_nishi/news/1177354054887253634


ミニエピソード『春のお妃選び競技会』完結しました。


お付き合いいただきありがとうございました。

まったく下書きせず、ほぼぶっつけ本番でしたが、悪ノリというのか驚くほどスラスラ書けました。楽しかったです。



【裏話】

・本編連載中、けっこう前から考えていたお話でした。


・ゲーム・オブ・スローンズの原作(『氷と炎の歌』シリーズ)が好きで、蟹の話(北部領からカニが送ってくる)と、ここで出てくる代理戦士(チャンピオン)の設定はどちらも同シリーズから借用しました。手元に本がないので、正確には覚えていないんですが・・・。


・「カッカッカッカッ」とヒールであらわれて、周囲の注目のなか「ビッターン!」と転ぶ、というのは、最近映画の予告編で何度か見て、ラブコメのヒロインっぽくてかわいいと思って入れました。


・ヒュダリオンの暑い応援は、「松岡修三 名言」でググって適当にそれっぽく書きました。


・「料理」で課題になっていた「スープ餃子」はオンブリアの家庭の味。これは、舞台設定を考えるときに衣装の参考にしたジョージア(旧グルジア)の郷土料理をイメージしました。コリアンダーが入った小籠包みたいな料理だそうです。おいしそう。


・鎧の「面頬」が、あげるものなのか下げるものなのかわからず、投稿前にあげたり下げたり書き直しました。どっち?


・気がつくと、途中からファニーが空気になってる


・フィルがエピソードのもっと前半(競技会の前、準備段階)から帰国しているというバージョンも考えていました。ノート後半にその設定のおまけあり。




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【ボツ部】リアナとフィルと楽しい筋トレ

(前述の、フィルが競技会の前から帰国しているバージョンのボツ原稿)

(③の後半、6.あたりに入ります)


 彼女は、ミヤミの指導のもと、筋トレを開始した。

「まずは器具を使わない、自重トレーニングからはじめるのがいいと思います。腕立て伏せやスクワットなどですね。簡単に見えますが、続けることで大きな効果を得られます」

 そして、ミヤミはそのうちのひとつをリアナにやってみせた。続いて彼女にやらせ、角度や姿勢を細かくチェックした。「正しい姿勢で行わないと、身体をいためることもあるのです」


 筋トレにはげむリアナと、指導を行っているミヤミを、わりと近くから見守っている男がいた。〈ハートレス〉たちの英雄、フィルバート・スターバウだ。


 彼はミヤミにむかって、『その役目を俺に代われ』という目をした。テオあたりならひと目で縮みあがる、例の言葉よりも多くを語る上官の目つきだ。

 だが、ミヤミは若くて従軍経験もなく、テオほど上官と疎通がとれているわけではなかった。敬愛するフィルのアイトークにぱっと顔を輝かせ、


『今日のお昼はバラ肉シチューらしいですよ』


 という目で答えた。そして、『わかってますよ』という顔つきになり、ぐっ!と親指を立ててみせた。


 違う!! とフィルは心の中で叫んだ。なぜ俺が今日の昼食について部下と目線で語ると思うんだ。


(終わり)

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