五種の竜と竜術
1.古竜の五種
竜族の言い伝えによれば、創世の時代、混沌とした地上をヒトが住むことのできるように作り替えたのが五種の古竜であったとされる。
『はじめに紅竜たちが降り、ほかの竜たちが住めるように土地と海とを作り替えた。彼らの長く孤独な仕事のあと、ほかの竜たちがやってきた。広大な大陸が、風の強い湖面に浮かぶ木の葉のように海の上を流されていて、時折互いにぶつかり合って隆起し、山脈全体を作り上げるなかを……空を覆うほどの群れとなった白竜たちが大陸中に散らばって、豊かに変わった土から緑を芽生えさせ、澄んだ空気と甘い水とを作った。やがて〈
その神がかり的な能力は多岐に及ぶが、それぞれの血統に出やすい体色の色で呼ばれることが多い。
古竜の五種と、その主たる能力者の呼び名を示す。
◎紅竜 (〈
地質や化合物を司る竜であり、創世記ではもっともはやく地上に現れたとされている。〈
◎白竜 (〈
天候と農業を司る竜であり、〈
◎黒竜 (〈
炎を司り、現在ではもっとも数の多い竜。火を操る攻撃性の竜術のイメージが強いが、空気の濃度や圧を変化させる術でもあるため、逆に炎を鎮静化させることもできる。〈
種族の重要な特徴として、唯一、ヒトへの攻撃が可能。
また、〈
◎黄竜 (〈
智慧の竜と言われ、人文、天文などの知識を持つほか、術の発動に不可欠な古代文字の保存や管理を行っているとされる。長命な竜族は人間と比べると文字や書物に関心が薄く、五種の竜のなかではもっとも軽視されがちな竜族。〈
◎青竜 (〈
医術や生体系の知識を司る竜。癒しの技を扱うが、生物兵器としての古竜を管理する役目も担っていると思われる。現在の御座所は彼らの一族が主流。〈
2.竜術
竜術とは、古竜の持つ人智を超えた能力を引き出して周囲の物質に作用する術全般を指す。竜族のうち、〈
それぞれの力は完全な別の要素というわけではなく、それぞれに少しずつ入り混じっていると思われ、たとえば黒竜と紅竜は火と燃焼、白竜と黒竜は風/流体力学という近縁領域を扱っているし、学問的分野は黄竜と青竜が入り混じって担っている。
竜術にはいくつかの原則があるが、本筋に関わるものとして、「ヒトへの攻撃はできない(攻撃を意図していなくても、ヒトが傷つく可能性があると術が発動しない)」というものがある。なにが「攻撃」とみなされるかは術の発動している状況によりけりで、たとえば大規模火災を消火するために空気を遮断する、という目的であっても、その場にヒトがいると竜術が発動しないといったことがある。ただ、この原則は黒竜(もっとも数が多く、かつ攻撃的な能力を持つ)には適用されないので、忘れられがちである。また、青竜の生体改変など、原則を侵しているものもあり、厳密なルールではないようだ。
3.その他の竜
オンブリアをはじめ、物語の舞台となる大陸のほとんどの動物は古竜を祖にもつと言われている。(古竜以外は竜術とは無関係)
代表的な
飛竜 :古竜よりも小型で飛行能力に優れる。
また、鳥類はすべて竜の亜種と考えられている。
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