未解決事件について

記)エッフさんは以前心霊の話をしたとき、あまり怖い素振りを見せられていませんでしたよね。怖いものはあるんですか?


エ)そりゃありますよ。こう見えて権威に弱かったりします。


記)権威ある人に散々たてついておいてそれはないと思いますけど・・・。


エ)まあ、権威があってなおかつきちんと行動してるように見える人には、やみくもに抵抗しないってことで。怖いものは当然ありますよ。未解決事件とか、怖いですよ。


記)ほう、未解決事件ですか。まあ、星の数ほどといえば言い過ぎですが多いですね。


エ)僕に言わしてみれば、本当に恐ろしいのは心霊でもなんでもなくて人間そのものなんですよね。未解決事件の中にはいわゆる怪文書と呼ばれるものが残されていたりします。それが、鬼気迫るものを感じられるものだったりすると、どうにも私は背筋が凍る思いをしてしまいますね。


記)例えば、というのがありますか?


エ)全て有名なものですが、「長岡京殺人事件」、「加茂前ゆきちゃん誘拐事件」「狭山事件」「津山事件」などですね。解決されたものも中にはありますが。


記)なるほど。手紙や資料が多く残っているものですね。どうしてそれらが恐ろしいんですか?


エ)うーん。心霊現象とかって、トリックだったりするから理屈で説明できるんだけどそうはいかないんですよね、ああいう死の間際の書き込み(長岡京事件)と言われてるものや怪文書(加茂前事件)って。底知れぬ恐ろしさがあるというか。うまく説明できないんですけど。


記)津山事件は、有名ですよね。


エ)あれ、犯人は意外とまともなんじゃないかと思いますね。連続で人を殺してる最中に、「お前は俺の悪口を言わなかったから」って人を許すんですよ。どこかで理性のブレーキが働いている節があって、無差別殺人というわけではないのだろうなと。だからあの事件はどちらかというと、犯人を取り巻いていた、周りの村人に問題があったんじゃないかなぁと思います。つまり、なんでもない利発な人間でも殺人鬼になってしまう、周囲のいじめや差別が影響してそういう存在にならしめてしまうことがあるってのが、人間の恐ろしさとも表現できるかなと思うわけです。


記)なるほど。未解決事件というと海外にも多数存在するわけですが、海外はどうなんでしょう。


エ)海外の怖い事件も知ってますがいかんせん数が多いのでね。事件に関連性のあるといわれている動画は見たことがある程度です。


記)人間が恐ろしいとおっしゃってましたが、そういえばこのコラムの主題ともいえる言葉は「人間とはごくごく簡単な生き物です」ですよね。その人間を、一番恐れてらっしゃる。


エ)人間って、時に化けるんですよね。なんでもない一般人が特定の民族を排除しようと動いたり、なんでもない一般人が暴徒の如く国中を席捲したり、学のない人たちが正義だと思ってとんでもない事をやってしまってたり。カンボジアとかドイツとか中国とか、大きな例をあげればそんなものでしょうけど、ある意味あれは巨大な未解決の殺人事件みたいに思うのでね。簡単だからこそ、簡単だということを知った人間が権力を持ち、人々を煽ったり操ったりすると恐ろしいことになる場合があるわけで。


記)ということは、簡単だということを知っていると自称されているエッフさんは・・・?


エ)みんなが人間って簡単だって知らないだけで、別に危険な人間じゃないですよ。ただ、弟が障害者だったりってんで、人の目だったり差別的な発言だったりってのは子供ながらにそばにあったのでね。親に見放されたと感じるような場面も多くありましたし。化ける要因みたいなものは持っていると言ってもいいかもしれませんけど。今のところそれを悪用する予定はないです。


記)含みを持たせましたね。エッフさんがこれからも穏やかな人物であることを願いますよ。


エ)こちらこそ。そうじゃなくなると疲れますから。私にそこまでの体力はありませんからね。


記)ありがとうございました。恋愛や、人工知能についてなんかも聞いてみたいと思っています。今後もよろしくお願いします。


エ)こちらこそです。


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