・少年



 僕は今、駅のホームに立っている。今年の春から僕は新1年生として住んでいる町から2つ隣の町の高校に通う。そこに向かう電車を待っているんだ。

 その高校は県内では中間くらいの偏差値で僕の第一志望校だった。父や母も合格についてとても祝ってくれたし、昔から良くしてくれる親戚のおばさんもとても自分の子の様に喜んでくれた。そんな華やかなスタートを切った僕の高校生活、これからどうなっていくのだろう。とっても楽しみ。

 16歳になろうとしている僕の父は、この駅の近くの貨物駅で、母は小学校や中学校の給食を作る給食センターで働いている。夕方まで仕事が長引くことはないらしいから家に帰るといつもいる。以前飲食店で働いた経験があって調理関係の資格も持っているからそれを生かしたいと言って今のバイトについたんだって。父の仕事の話はあまり聞かないけど鉄道好きという点から意気投合してよく3人で電車を見に言ったりするんだ。

 僕は両親が本当に大好きだった。兄弟はいないので「兄弟欲しい?」とよく友達に聞かれたりするが、僕は両親で十分だ。むしろ有り余るくらい。


 おや、電車が来たようだ。H67系だね。この電車は古いけど走り慣れてる感が好きなんだ。あわわ、乗り遅れちゃう。じゃあまた後でね。 



                      続く、、、、、

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