第2話
「どうした、隼人。顔色が良くないな」
「あ、春哉(はるかな)さん。おはようございます」
キッチンには、僕の養父である神田(かんだ)春哉さんがコーヒーを飲んでいた。春哉さんは僕の父の親友で、蒸発した父の代わりに僕を育ててくれている。すらりと腰まで伸びている栗色の髪が綺麗だ。そのことを話すと、いつも照れる。そんな可愛い38歳未婚独身男性だ。
「夢に父が出てきました」
「なるほど、それゃ顔色も悪くなるな。ちなみに、親父さん――政次(まさつぐ)は何か言ってたか?」
「いつものように、女の子とはキスをするな、爆発して死ぬから、と言ってました」
春哉さんは、なるほどねぇとコーヒーを口に含む。
「僕は、本当に女の人とキスをすると死んでしまうのでしょうか?」
「一般的には死なないだろうな。どうゆう原理で、人がキスして爆死するのか、俺には皆目見当がつかない。本当かどうか、適当な女子捕まえて試せ、と言いたいところだが、それで死んだらしゃれにならん」
事実、政次はそれで爆死したからな、と春哉さんは続けた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます