夢望の日記 @2

 四月二十九日。 


 ……今日は風邪を引いてデートできなかった昨日に引き続いてアンハッピーなことがありました。

 結叶くんが他の女の子と会っていたのです。しかもよりにもよって愛華と。

 これって浮気ですよね。絶対そうです。電話の向こうであせあせしてるのわかっちゃいました。

 もう、私はぷんすかしちゃってますよ。

 妹がいた、というのも予想外でした。でも、小学二年生って歳離れすぎじゃあ? まさか、そういう義理のきょうだいみたいな関係なのでしょうか……。

 ということは結叶くんは複数の女の子と関係を持っているってことに……。

 いや、待ってください。まだ全て投げ出して諦めるのはまだ早いです。

 せっかく付き合えたんです。一週間も経たないうちに別れちゃうのは寂しい気がします。

 しかも、あの時理由はわからないですが思ってしまったんですよね。

 ああ、これでこそ結叶くんだ、って。

 私は結叶くんの、そういう誰にもなびかないところに惹かれているのかもしれません。そう、今まで感じることのなかった好き、という感覚が結叶くんの前に立つと私を支配するのです。

 私はこの気持ちがなんなのか、まだ詳しくはわかっていません。

 だから、それはゆくゆく知っていきたいし、結叶くんにもこの感情を抱いてほしいとも思っています。

 これが俗に言う愛のカタチ……なのでしょうか?

 よくわかりませんが、これを書いていてなんとなく思ったことがあります。

 ……しっかり結叶くんを見張っておかないと。


 ―――――――――――――――――――――――


「じゃあもう寝ましょうかね。明日は元気いっぱいに一日を過ごしましょう」

 お風呂も夕ごはんも済ませた私はベッドに寝転がって目を瞑りました。

 目を閉じていると、なぜか今週のことがフラッシュバックしてきました。

 その風景にはいつもどこかを向いている結叶くんの姿があって。

「……会いたいなあ……」

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