娘なんてどれだけ愛したところで、ちっとも伝わらないので、お父さんは宇宙と戦います
ハイロック
第0話「僕は幸せです」
はじめましての人は、初めまして。
久しぶりの方は本当に久しぶり、僕は不憫な男で有名な太陽です。
みんなにマリンと結婚したことを不思議がられてるし、僕はだまされて結婚したのだとか言われるけど、まあ不憫というのは他人の評価であって、2029年8月、現在のところ自己評価として僕は幸せだといえる。
二人の子宝にも恵まれ、長女のマリナは12歳になり、長男の
長男のスカイは、7年前にあの宇宙人のソラと再会した後に作った子供である。
完全にネーミングが、
最大の親友である宇宙人のソラ、彼との出会いの話とかに関しては、きっとそのうち話す機会があるだろうし、僕たちの10年前の物語はすでに書かれている、機会があったら目にしてほしい、僕たちの物語は隠すことなくかかれているから。
さてそれにしても、なんだかんだで僕はもうアラフォーになってしまった。自分を僕というにはあまりにも年を取りすぎてしまっているけれど、一人称なんていうのはそうそう直せるものじゃない。
ということは妻のマリンも同様の年齢である。
あんなにハチャメチャで、愛くるしかった僕の妻マリンだったが、そのマリンも、もうおばさんと言われるような年齢になってしまった。
しかし、不思議なことに、僕は彼女を老いたとは一切思わないし、相変わらずかわいくて仕方ないと思ってる。むしろ年々かわいくなってるのではないか。
何ならいまだに、子供たちが学校に行った後に、しっかり愛しあってることがあるぜ。なんて幸せな夫婦だろうか。
友達の畑っていう奴から言わせると、「信じられん、気持ち悪い」ということらしいけれど。
いいじゃないか、マリンはずっとかわいいんだから。相変わらず畑は余計なことしか言わない。畑にはずっと結婚のすばらしさを語っているのに、あいつときたら厄介ことばかりを持ち込んで、僕のいうことなど聞きはしないのだ。
畑は大学時代の同級生で、同じサークルの仲間でもあった。ただし、同級生にもかかわらず歳は10才以上離れてる、彼もなんだかんだ、50歳になるわけだ。相変わらずキャバクラの店長とかをやってるらしいが、大学の研究のせいかとかで哲学の本を出したらしい。
彼経由でいつも僕はキャバクラ関係の女の子の依頼を受けたりするわけだが、ありがたくもあるし、めんどくさくもある。
僕は相変わらず、パルナレア大使館のある東京都
大学時代にできた資金で、投資がうまくいってるので、不労所得だけでも十分すぎる生活ができる。おかげで、夫婦生活も円満に進んでいるし、いまだに3人目がほしいとか言って、マリンを困らせている。
うらやましがられると思うが、大学の時を含めこれでも僕は何度か命をはっている、それの代価だと思えば、今の生活は正当な労働の対価と言えるだろう。
いや、やっぱすこし出来過ぎかな。
まあ、そんな感じで僕の生活は順調である、お金には困らないし、仕事も趣味でやってるだけで、仕事が入らなくたってまったく困らない。
そんな僕へ今日は珍しく依頼の電話があった、1ヶ月ぶりかもしれない。
全く仕事をしない生活も悪くはないのだが、適度なストレスは人間にとって大切である。
はてさて、今回はどんな依頼だろうか。
このときは、この依頼の電話が僕の平穏を乱すものになるとは思ってもみなかった。
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