『初恋』

しばきち

第1話

お久しぶりです。


お元気ですか?



突然の便り、驚いたでしょ?

ごめんね。


最近ふと君のことが懐かしくなってね、お手紙を書きました。


こんなふうに君に手紙を書くのは、もう何年ぶりになるだろうね。

きっと高校を卒業した春、君に想いを伝えた日以来だと思う。



あの時、私たちはまだ子供だったなって、今では思うけれど、あの頃はただただ、お互いに一生懸命だったね。


色々なことに必死で、たくさんのものを抱えて、脇目も振らずに一生懸命だった、高校時代。


そうそう、あの頃の君が私の初恋の相手。


初めて君に自分の名前を名乗った日のことを、今でも忘れられない。



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