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「わぁなんだかドキドキしてきました」
「ふふ、私もです。主役の到着はもうすぐでしょうか」
時計の針は招待状に書かれた時間の十分前。新婦二人はもうすぐ真っ白なリムジンに乗ってやって来る予定だそう。店内は既に二人を祝うために来店した人で賑やかになっている。みんな口々に「今日は良い日だ」と言っていた。俺もそう思う。
二人の輝かしい門出を祝える日なのだから。
「きっと今頃二人ともワクワクしながらこっちに向かっていると思います。本当にパーティを楽しみにしていたから」
「今からお二人の笑顔が頭に浮かびます」
きっとミナコさんは照れてはにかんでいて、リナさんは世界一幸せそうに笑うのだろう。二人とも可愛らしい人たちだから。
「あぁ、喜んでくれるといいぁ」
「大丈夫ですよ、きっと素晴らしいパーティになるでしょうから」
「どうして分かるんですか?」
このパーティはカナエさんたちが二人を祝いたくて企画したものだ。二人は海外での挙式だけで終わらせるつもりだったらしいけど、どうしてもみんなで祝いたいと集まってこのパーティを開くことにしたらしい。
手作りのウエディングケーキに花籠、それからウェルカムボード。あたたかくて優しくて、皆の笑顔が溢れていて、祝福の気持ちでいっぱいの空間。みんな、本当に二人の幸せを願っているんだって良く分かる。
そんな素敵な空間が、素晴らしいものにならないはずがない。
「みんな本当に嬉しそうだからですよ。カナエさんも含めて、心からのお祝いの気持ちが表情に出ていますから。きっと今日は最高の一日になりますよ」
断言してもいい。今日は絶対に良い日になる。
「楽しみです」
「えぇ、私も」
優しい眼差しに微笑みで答える。さぁ、もうすぐ二人の到着時間だ。ノックの音が待ち遠しい。
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