壱闇(ひとやみ)の獣
夢視(ゆめみ)と刻人の邂逅
Episode:Ⅰ 夢視と刻人の邂逅
静かな海面の上に、ボクは立っている。
ボク以外、其の場所には居ない。それはボク自身承知している。
何故なら此の場所はボク自身の“異才”が創り出した場所であるのだから。
ボクは海面をそっと、覗き込んだ。
海面の底には見知った人達と見知らぬ少年が映っている。今回はどれだけ耳をすまそうとも“声”は聞こえてこなかった。海面の底に映る映像だけだ。
もっとよく視ようと更に海面を覗き込んだ時、遠くからりーん…りーん…と鈴が鳴る音がした。
其の音が聞こえると同時に意識が引っ張り上げられる感覚に襲われる。海面一色だった景色がだんだん、遠く、見えなくなり透けていくのが、海面に映っていた景色と重なって記憶に刻まれると同じくして、ボクの意識は白濁していった──…。
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