八尺様

MIとれいん

第1話小五の夏

  小学五年生の夏

 僕は、溶けそうなほど暑い都心を離れ、山々に囲まれた小さな村で、長い長い夏休みを、祖父母と共に過ごしていた。

 この村は、いわゆる限界集落と呼ばれる村であり、若者はほとんどいない。

 僕と同い歳の子は、一人もいなかった。

 そのため、長い夏休みも最初はもちろん、都会ではできないような体験を、心底楽しんだ。

が、夏休みも残り一週間程となると、一日一日を退屈に過ごしていた。

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