第13話

 あれは、一瞬の出来事だった。


 俺はパーティを組んでいる3人とともに、レベル上げとマップを埋めていた。


 俺達パーティは色々なゲームでもパーティを組んでいて、どのゲームでも結構上位にランクしていた。


 まあ、上位に入れていた理由は一般的にいうお金持ちに俺達は該当していた。

 結構な額を課金し、キャラを強くしていた。さらに、トップランカーばかりが集まる攻略組と呼ばれたギルドに参加させてもらった事もあった。


 時代が進み、ゲームもVRが主体になり、さらには換金システムも導入されゲーマーでも高収入になれるようになった。


 フロンティアファンタジー略してフロファン。

 VR初の換金システムを導入されたゲームだ。このゲームは換金システムなどから、初期段階で手に入られる可能性が低かったのだが、そこは金持ちクオリティーでどうにかした。


 さていよいよフロファンデビューした俺達だったのだが、ゲームのクオリティーにまずびっくりした。

 そして1番びっくりしたのが、プレイヤーの自由度の高さ。


 例えば、今まで自由度を売りにしたゲームは沢山あったのだが、ゲームのストーリーの道筋は大体決められていたのだ。

 しかしフロファンはどうだろうか?

 ストーリーの道筋が決まってなくて、プレイヤー1人1人が進んでいく物語がストーリーになるのだろうと思わせてくれる。


 前置きはここまでにしておこう。

 俺達パーティが課金もして、他にはゲームでも上位に入るゲーマーである事を理解した上で聞いてもらいたいのだ。


 あのプレイヤーは何者だ?

 次々に現れるモンスターを破壊するかの如く倒すプレイヤー。

 その姿は台風…いや暴風のようなスピードでモンスターだけを破壊していく。


 プレイヤー名は…ファースト。

 他のゲームのトップランカーにはそのようなネームを使っているゲーマーはいなかったはずだ。

 もしかすると、フロファンでネームを変えてプレイしているトップゲーマーなのだろうか?いや!トップゲーマーにはゲーマーとしてのプライドがあるはずだ!


 なら新規のプレイヤーと言う事になる。

 ありえない…そう思っていた時仲間の1人がある事に気付いた。


 ファースト、彼は初期段階いや初めから所持している装備で戦っているのだ。


 冗談だろ?このフィールドのモンスターの最低レベルが30だったはずだ。

 俺達でも効率的なレベル上げのおかげで40になったばかりだ。

 その俺達でもここのモンスターはとても厄介で1戦闘ごとに回復休憩をとっているくらいだ。


 だが、ファーストはソロプレイヤー。

 回復休憩を取っているようには見えない。なんなんだあのプレイヤーは?デタラメだろう?


 そこで、俺達パーティはファーストが戦っていない時に声をかけようとした。


 そこで声をかけようとした瞬間、急に声を出してまた戦いに望んでいく。


「あれは…暴風の破壊者テンペストブレイカー と呼ぼう。」


 俺達黄金の城ゴールデンキャッスルは暴風の破壊者…ファーストを追う。


 ファーストの正体を知る事が黄金の城のゲーム目的になっていく。

 彼らがファーストの正体が学生であると気づくのはまだまだ先になりそうだ。


 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


 黄金の城がファーストに声をかけようとしていた時に遠くから見守る人が1人。


「なかなか面白い事になりそうだ。

 これはなかなか面白いネタにも出来そうだな。」


 彼こそファースト…暴風の破壊者を広めた張本人である。


 フロファンに様々なゲーマーが集まりつつあった。

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