スタート・オーバー

化茶ぬき

序章-1

 生きていることを実感する方法はいくつか存在していると思う。


 例えば、お腹いっぱいにご飯を食べたり。


 例えば、大好きな人と抱き合ったり。


 例えば、自分自身を傷付けてみたり。


 例えば、誰かを傷付けてみたり。


 それらで生を実感できる者は多いだろう。


 しかし転じて、死を実感する方法はどれだけ存在しているだろう。


 例えば、ビルの屋上の縁に立ってみたり。


 例えば、自分の手首を切ってみたり。


 例えば、失神ゲームで意識を飛ばしてみたり。


 だが、そのどれもが生き残ってしまえば、結局のところは生を実感することとなる。

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