第358話 ネイビーバーガー
昼食は、全員で元ネタとなったネイビーバーガーを買った。
少しでも宣伝になればとバーガーを揃って頬張っているトコを撮影しインスタへ投稿した。
当然だが、みんなで食べたバーガーの味は最高だった。
そこへ同じ年くらいの女性に声を掛けられた。
「野原さん……!!」
「え…?」
始めは誰か全然、わからなかった。
「ご無沙汰してます。八田です」
頭を下げてきたが名前を聞いても思い出せない。
「はァ~…、ど~も……
八田さん……?」
こちらも頭を下げたが心当たりがない。
「フフ…、わかりませんか」
「え~…っと、小学校の時の……」
「はい、あの…、川崎君に苛められてると勘違いして……」
「え…… あ、まさか……。
あの…、ハッちゃん……?」
そうだ。あのショーリをボコボコにした時のハッちゃんだ。
「フフ…… 思い出しましたか」
「え、ええ……」
「パーカーを販売するって聞いて…、いてもたってもいられなくって……」
「ありがとう。よく来てくれたわ」
両手を差し出して握手した。
「いえ…、あの時は本当にありがとうございました。おかげで苛められなくなりました」
「そう、ごめん、変わったから全然、気付かなったわ」
「野原さんは、すぐわかりました」
「フフ…、野原さんなんて、言わないでよ。
気安くイチゴって呼んで!!」
「イチゴさん……、ですか」
「フフ、イチゴで、良いよ。
呼び捨てで……😉✨💕」
ウインクした。
「じゃぁイチゴと同じ色のパーカーを一枚、戴けますか」
「ええ、お買い上げ、ありがとうございます」
初日の最後には横須賀経済新聞など地元紙が何社も取材に来てくれた。
明日は紙面を飾る事になりそうだ。
売り上げは上々……
残りは、二十枚ちょっと。
ゴールは、すぐそこだと思っていた。
そして、最後の日……
思わぬ、アクシデントがウチらを襲った。
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