第336話 商標登録

「う~ン…、ちょっとね。ネイビーがヤバいンだって!!」

「ヤバいって、何よ。」


「サンタ! 日本語解ってンの? ヤバいヤバいって

 さっきから…!!」

 ゴンちゃんが肩をすくめた。


「そうよ。何がヤバいのか、お姉さんに言ってご覧。」


「いやいや、だから…、商標が…。」

「商標って?」

「だから、【ネイビー】が、商標登録されてンだよ!!」

「えぇ~…??何それ~…!!」

 一瞬の静寂。

 教室の外では部活の声が響いていた。


「何、言ってンの? だって、ネイビーってアメリカ海軍の事でしょ!!」


「だから、そのネイビーが使えないらしいの!!」


「ウッソだぁ! 何で、アメリカ海軍の事を商標登録って…!!」

 ニコ。

「出来ンの! そんな事…!?」

「ああ、出来ンじゃないの? 昔、阪神タイガースも関係のないトコが商標登録してて、揉めたって話しもあるしィ~!!」

 ゴンちゃん。


「え~…!?マジ~ーー??」

 突如、持ち上がった商標登録と言う権利問題。


 この事が、ウチらにとって最も大きなネックになった。


 そして、ウチらの間にも亀裂が入る事になった。

 

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