第300話

「マジで、こっちは大事な時期なんだ。」

 本城は視線を落とした。

「はぁ~ー…!! こっちの方がずゥ~ーーーっと大事なンだよ!!」

 私は、キレる寸前だ。

「え…!!」

「お前みたいな【バカ】がいるから、世の中、不倫だ。セクハラだ。なンだって、問題が起きるんだよ!!」


「こ、このボクが…、【バカ】だって…。小学校の時からずっと…、エリートだったボクが…。バカだって言うのか!!」

 おいおい、逆ギレかよ。


「お前が、どれだけ良い大学に入ろうと、どんなに偏差値が高かろうと、【バカ】には変わりねェ~よ!!

 女子の気持ちを…、他人の気持ちを思いやれないで…、小学校で何を教わってきたんだ~ーー!!」

「う…!!」

「わかってンのかよ!! 今、こうしてる時も………、那奈は、ずっと悩んで苦しんでんだよ!!」


「………。」

 本城は、うつ向いたまま視線を巡らせていた。



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