第39話 地球温暖化の所為で……

 その先には東京湾が覗き、遥か向こうには、うっすらと房総半島が見えた。



 その間に、ポッカリと猿島が浮かんでいた。

 特撮マニアには仮面ラ💟ダーのショッカーの基地として撮影されたことで有名だ。


「ヒューヒュー😆🎶✨ 良い感じィ~ーー」

 見上げるとまだ青空が広がっていた。



 嫌なことも忘れさせてくれる。



 このまま背中に翼をつけて、映画ETのように自転車ごと飛んで行ってしまいたい。





 歩道には何処か、南国を思わせるような樹々が並んで植えられていた。


 排気ガスを撒き散らしてトラックが追い抜いていった。




 ( ^-^)ノ∠※。.:*:・'°☆




 いつ以来だろう。



 ここ走水はしりみず海岸へ来たのは………。




 まだ父親と母親が離婚する前の事だろう。

 あの頃から私の両親はギクシャクしていた。



 父は、医者でルックスも良かったので看護師からよくモテた。



 あとから聴いた話しでは私が母親のお腹にいる頃から父親は浮気を繰り返してきたらしい。




 詳しい事は母親も話したがらないし、私も聴く気がなかった。



 その父が家を出ていき、別居したのもあの夏の終わりだった。




 もうあれから10年近くの月日が流れた。




 上げ潮だからか。

 思ったより砂浜が小さく感じた。



「あれェ……、こんなに砂浜が小さかったかしら……?」

 私はポツリと呟いた。



「うン…… 浸食されたンだよ」

 不意に背後からショーリが嘆いた。


「え! しんしょくって…!?」

 始め何の事か解らなかった。



「地球温暖化の所為で砂浜がドンドン小さくなっていってるらしいぜ」

 ショーリは困ったような苦笑を浮かべた。



「ああ…、なんだ。その侵食ねぇ……」

 私は苦笑いを浮かべた。



 いずれここも遠い未来、砂浜は消え去って海水浴客も来なくなるのだろうか。




 いったいウチ女子高校生JKに何が、出来るのだろう。



 私は近くの洒落シャレた公衆トイレで水着に着替えた。しかし着替えてみて後悔した。


 この夏休み怠けていた所為せいで自己最高を五キロもオーバーしまった。


 去年新調した水着がウエストに食い込んだ。



 だが、四の五の言っていられない。



 思いっきりお腹を凹ませ、水着に押し込んで、いざ出陣だ。






 ( ^-^)ノ∠※。.:*:・'°☆


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