朔~7~


 家を飛び出した俺はそれはもう全速力で走った。

 

 学校に着き、急いで上靴に履き替えると教室に向かう。


 だが、急いでいた足を止めた。


 桜子にどんな顔をして会えばいいのか、今更悩んでしまったのだ。教室に入ってすぐ謝るか、何もなかったように接するか。


 そしてすぐに気が付いた。今は授業中だ。考えたところですぐに話せる状況ではない。教室に入ったところで顔を合わせるなんて事はない。


 それなら、授業中に考えればいいじゃないか。よし、教室に向かおう。


俺は止めていた足を動かした。


 何も考えずに開いた教室のドア。その先には桜子がいた。


 あれ? 顔を合わせることないんじゃ……。

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