まきもの

第1話

「ねぇ、キミはどうしたい?」



「?」


「ねぇ、キミはどうしたい?」


「?」


「キミは、華をどうしたい?」


「?華はわたし?」


「キミは華で華はキミ」


「意味がわからないよ?」


「僕も華だよ?だって僕らは

 華の心の中の住人だもの」


それでもキミは僕の話が

理解できなかったみたいだ


無理もない。華の心の中には

たくさんの感情達がいる


多重的なものとは違う、

脳内会議的なものかな?


喜怒哀楽とちょっと細かい

感情達が暮らしてる


けどみんな普段から交流はしない


僕とキミはどうやら

会話を常にできるらしい


華の心の住人達は

コードネームといなの


あだ名があったりす


怒りのこは 狩

哀のこは しーちゃん

愛のこは でぃすさん

などいたり


僕は、華の好きなことを

調べる時にいる ヨクト

キミは、華の心そのもので

コードネーム天邪鬼又の名を

ハナタレ鬼


まだまだいるが今の華は

主力メンバー以外要らないのである

部屋で待機し自然と起きて現れて去る

何事もなかったように


年齢は精神年齢で表現しよう

狩は思春期

しーちゃんは三十路

でぃすさんは思春期〜青年期くらいかな

僕は青年期以降

天邪鬼は小学生だ


軽く説明も済んだから、今回は


天邪鬼と僕の話


僕は主人公しゃないよただ世話焼き


とある日

人間界は雨だ


僕らにはあまり関係ない

ジメジメするけど雨はサワレナイ


僕は、天邪鬼を眺めるのが好きだ


飽きないけどイライラはする


真反対だから言葉が常にもどかしい


天邪鬼は華の感じたものを

映像とし見ながら感情を思い起こす


その言葉達が華が喋る言葉に変わる


天邪鬼は毎日毎日悔いるように見ている


触れれずガラス越しに眺めてる


その時降りで、狩か

しーちゃんか

でぃすさんとか近くにいる


天邪鬼にはまとめれないから


華はパニックになり機能が停止する


僕はいつもそれを見て


「キミはどうしたい?」と質問する


大抵天邪鬼な答えでごまかされる


天邪鬼のポッケには

本音のホネが住み着いてる


ホネはひっそりと僕の肩にのり


矛盾を訂正話して去って行く



そして再び天邪鬼にとう


「キミは、華をどうしたい?」


「ころしたい。

 華が生きてなけば

 丸くおさまるから」


だから僕は華にODを促す

指示を出すことしからできない


エンドレスに住人には増えて行く


鍵付きの部屋の住人が


でも、天邪鬼は本当に

ころしたいなんて思ってない


僕は、天邪鬼の少なくてもある

理性を信じてる


天邪鬼は、華の感情そのもの

かもしれないし違うかもしれない


僕は、なんだろ?

存在してるけどしてない不確かな何か


感情達の答えを脳内に送りこむから


伝達物質のような存在かもしれない


僕らは、心の住人だけど人格じゃない


誰の心にもいる気持ち達なだけ


物思いにふけっていると


黒い影が現れて鍵付きの部屋を


開け中に何かを押し込んで再び鍵を閉めて


黒い影は消えて行く


また華が、言葉を気持ちを

飲み込んで鍵をしたみたいだ


僕は知らない。

鍵付きの部屋の中を


天邪鬼がふと現れて


「あの部屋はわたしのだった

 華わたしを出れなくした」


それだけ告げてまた何処かに

行ってしまった


僕はよく分からなかった。

天邪鬼は今動けている


それとも、天邪鬼も僕と

同じように存在してるけど


してないようなものなのか

きっと天邪鬼は分からないと思う


それから天邪鬼はいつも哀しそうだった


しーちゃんを引き連れて。

天邪鬼は泣きそうに見える顔する


だけど泣けないから

しーちゃんをまとってるようだ


僕は、そっと天邪鬼の側に立ってみた


独り言のように


「素直じゃないね」


天邪鬼は睨むように僕を見て


「すーちゃんはいいこ

 華は悪い あーちゃんは普通」


怒ったのか狩まで引き連れて

どこかに逃げてしまった


悪いことを言ってしまったようだ


おかげで思い出した。


華の心の中にはもともと、

僕と素直と天邪鬼が主な住人だった


素直と天邪鬼は仲良し

双子のようにぴったりくっついて


まだ鍵がかかってない部屋で遊んでいた


気がつけば鍵がかかって

禍々しい雰囲気の部屋に変わってた


天邪鬼しか見かけなかった。


最初は気になっていたが次第に忘れていた


不確かな存在ほど消えゆく存在


なかったことにされてしまう存在


天邪鬼がどうして {ころしたい}と言うのか


天邪鬼が放った言葉を思い出し解釈してみた


「あの部屋はわたしのだった

 華わたしを出れなくした」


「すーちゃんはいいこ

 華は悪い あーちゃんは普通」


もともと天邪鬼と素直の遊び場だった

天邪鬼は出れなくなった

素直はいい子 華は悪 天邪鬼は普通


あれおかしい


天邪鬼は出れなくなったんじゃ?


まさか⁈


僕は慌てて素直を探しに行った


僕が見てたのは素直だったんだ


だから戸惑いが残ってたんだ


あ。いた


「まっ待ってくれ。素直 」


僕は、呼び止めた


素直は静かに涙をこぼした


僕は何も言わず素直の頭を撫でた


素直の気持ちが伝わってきたのでそのまま


華の行動に反映されるように促した


【華をたくさん泣かせて

 泣き疲れでもいい睡眠を】


華は数日暴れてがわけもわからずただ泣く華


泣き疲れて寝てしまったようだ


心の中の住人も落ち着きを取り戻した


鍵付き部屋の禍々しさが少し薄まった


それと同時に素直そっくりな子が現れた


天邪鬼だった


素直は嬉しいそうに笑って


天邪鬼はそっぽ向いていた


僕は思わず笑う



すると天邪鬼が


「悪いかよ」


むすっとしながらボソっと言った


だから僕は


「悪くないよ。むしろ

 素直じゃないか

天邪鬼は照れ屋さん

 なだけなんだな」


僕と素直は笑い、

天邪鬼は顔真っ赤にして俯く


天邪鬼と素直は一つになった


僕は、天邪鬼と素直が一つになる前に


「もう天邪鬼は素直になるんだね。

 素直は照れ屋に

そんな二人に新しい名前をつけてあげる」


天邪鬼の あ と素直の す で 明素


『明素か ありがとう』


そして、その日から明素を

眺めるのが僕の日課だ



続く

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