108.絶対小説 感想
第九回MF文庫Jライトノベル新人賞にて優秀賞をとりデビューしたのち、ノベルデイズで行われたリデビュー小説賞で受賞した作者さんの作品です。
ノベルデイズのリデビュー小説賞は、一度デビューした作者が再デビューするためのコンテストというコンセプトが面白くて興味があったので読んでみました。
◆タイトル『絶対小説』
◆作者 芹沢政信
◆レーベル 講談社タイガ
◆発売日 2020/01/22
◆あらすじ
伝説の文豪が遺した原稿〈絶対小説〉。それを手にした者には比類なき文才が与えられる。新人作家・兎谷三為にそんな都市伝説を教えた先輩は忽然と姿を消した。
兄と原稿の行方を探すまことに誘われた兎谷は、秘密結社に狙われて常識はずれの冒険に巻き込まれる。
◆感想
謎めいた文豪の原稿とそれを持っていたはずの先輩作家の金輪際が、突如として消えてしまい、主人公の兎谷は金輪際の妹とともにそれを追うのだが――
ラノベ作家を主人公にしたラノベは最近よく見かけるのですが、この小説はその中でも異色の作品と言えると思います。
ミステリアスで、オカルトじみていて、どう進むのか何が起こるのか読めないストーリー。
ですが、リズミカルな文章と個性的な登場人物による軽快な会話でいつの間にか先が気になりグイグイ読まされます。
そして読んでいるうちに、物語は一気に壮大になっていき…… 「あとがき」後の展開には少しびっくりしました。なるほど、そういうストーリーだったのか!と。
どこまでが現実でどこまでが虚構なのか、全く読めないストーリーなのに、思わず最後まで読まされて面白かったです。
文体はラノベっぽいんですがあまり最近のラノベでは見ないタイプの作品というか、少し村上春樹の小説っぽいなと少し思ったり。口調とか文体は全然違うんですけどね。
作品は全編を通して創作者の苦悩とそれと同じくらいの小説愛で溢れています。その熱量が感じられるところが受賞の決め手だったのかな、と思ったり。
小説を愛する人、普通ではないラノベを読みたい人におすすめの小説です。
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