100.異世界誕生2006 感想

 ついにこのラノベ感想も100冊目になりました。長かったような、短かかったような……。


 ちなみに途中で読むのを挫折してしまった作品や、読んだけど感想を書くのが面倒で書いていない作品もわりあるので、紹介していないだけで実は100冊以上は読んでいます。


 でもラノベ好きの人はもっと読んでいると思うので、これからもラノベ読みとして更なる高み(?)を目指して頑張りたいと思います。


 さて記念すべき100冊目は、『異世界誕生2006』です。Twitterで話題になっていたたので買ってみました。


 作者の伊藤ヒロさんは、元々会社員でしたが今はゲームのシナリオライターやアニメの企画、ラノベ作家と幅広く活躍されているようです。


◆タイトル『異世界誕生2006』

◆作者 伊藤ヒロ

◆イラスト やすも

◆レーベル 講談社ラノベ文庫

◆発売日 2019/10/01


◆あらすじ


 2006年春。小学六年の嶋田チカは、前年トラックにはねられて死んだ兄・タカシの分まで夕飯を用意する母のフミエにうんざりしていた。


 たいていのことは我慢できたチカだが、最近始まった母の趣味には心底困っている。フミエはPCをたどたどしく操作し、タカシの遺したプロットを元に小説を書いていた。

 タカシが異世界に転生し、現世での知識を武器に魔王に立ち向かうファンタジー小説だ。執筆をやめさせたいチカは、兄をはねた元運転手の片山に相談する。


◆感想


 死んだ息子のために母親が異世界転生の小説を書き始めるという一風変わった設定のお話です。


 2006年が舞台ということもあり、なろうがまだできておらず恋空が流行っていたり小説をホームページで発表していたりなんてネタも懐かしく感じながら読みました。


 はじめはこの物語がどう着地するのか検討もつかなかったのですが、物語が進んでいくうちに、登場人物たちの思いや葛藤に心を打たれて、最後にはちょっとウルッと来てしまいました。


 単なる流行りものを揶揄したり逆張りをするようなラノベではなく従来のライトノベルの枠に収まらない怪作にして傑作ヒューマンドラマです!

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