響の魔法論
犬野サクラ
「魔法とは何か」
やぁ、また会ったね。初めましてでもいいけど。
前はつまらない話を聞いてくれてありがとう。聞いてなくても、わざわざ聞きに行く必要はないよ。
困ったことに、ここは色んな人が見に来るからね。挨拶に困る。
さて、ボクは響、悪役だ。
9歳で、女性。
平行世界上に存在する自分に、寝ている間だけ入れ替われる点以外は普通の女の子だ。
特技は神出鬼没で、趣味は大人(自分よりも年上なら、それは大人)をからかうこと。
以上の100字足らずで、ボクという存在は説明できてしまう。
ま、そんなことはどうでも良いんだ。ボクのくだらない魔法論について聞いてくれないかな。
魔法とは、どういうものか、というね。
魔法とは、端的に言うと技術だ。
君は電子工学に詳しいかな?仮に詳しい人は建築について造詣が深いかな?
ま、そんな稀有な人はそうそういないだろう。
君達は皆そうだ。知ってることはとことん知っているが、知らないことはとことん興味がない。人間だから当たり前だ。全知全能の神でもなければ、そんなことは出来はしない。
その個人が人生を費やして磨いたものが技術。
つまり、魔法なんてものは、それに全力を支払えばいくらでも覚えられる。というのが私の考えだ。
電子工学、建築学、文学、美学、数学、経済学のように、魔法学が存在する。
と思っていただければ結構。
おっと、前置きが長かったかな。ごめんね、どうもボクは一人語りが好きで。というのも、君達が口を開くことはないからね。
とにかく、魔法は技術だ。
専門分野と同じく、知ってる人にとっては常識でも、知らない人からすれば摩訶不思議、というのは良くある話だろう。
それと同じように、魔法を知ってる人には出来て当たり前のことが、魔法を知らない人には異常に見える、というわけだ。
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