第2話意識の先に

 目が覚めると、あの眩しい食堂ではなく、真っ暗な部屋にいた。周囲に明かりはなく俺は服すら着てない。いうなればロッカーの中に閉じ込められている状態だ。かなり寒い、服を着ていないからではなく、ロッカーそのものが冷やされているようだ。となると、ロッカーではなくて、冷蔵庫に閉じ込められている感じ。しかも、横に寝かされている。


「ここからだせ!!」


 ガンガンと壁?を叩く。声は出るのか、普通に考えて、あの黒い影に攫われたとしか考えようがない。


「今出してあげるよーまっててねー」

「?!?!は?」


 予想外の返答だ。まず、返答が返ってくることさえ考えてなかったのに。誰だろうか?攫らった犯人とは考えにくいし影の形からして、ここまで女声とは思うわない。


「たしかに私は女だけども、私が攫った犯人さ。えーと、062番か」


 なんなんだよこいつ、頭ん中読み上がって!てめーが犯人かよ!早く出せよ!

 ————ガチャッと、何かが開いた音が聞こえ冷蔵庫(仮)の底が抜け落ちる。


「ほら、寒いだろ。着ろ」


 時季外れにも程があるコートを着た、茶髪の背の高い女と、さっき見た黒い影にがいた。


「はぁ?ここどこだよ」


 服を着ながら聞く。にしてもここは寒い。案外、この女がコートを着ているのも分かる気がする。


「まずは、「ありがとうございます」だろ?助けてやったんだ、お礼くらいいってもいいんじゃないか?」

「はいはい、ありがとうございます。で、あんたは誰だよ。てか、ここどこだよ!」

「私は、榎元 響えのもと ひびきだ。ここは、死体安置所だ、新入りさっさと、着替て行くぞ」

「物騒な所だな、ん?あ?ここは、どこのどこだよ。」

「さっきも言ったろ?死体安置所だ」

「は?東京?」


 よく考えればさっきからおかしい、コートにカバンよく見たらスマホも持ってる。この服だってシャツとパーカー、ジーンズまで、あの世界にはないものがある。


「話は後で、あとこれ食べな」


 そう言って、カロリーメイトを出して来た。お腹空いてたし黙って食おうか。ん?味変わったかな?

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