捻れた個性
第1話椅子の間
俺のいた高校は、色々やばい。何といえば、ラブコメの主人公みたいな奴がいれば、ほのぼの系のアニメみたいな世界つくってるやがいたりするし、部活になるとラブコメの主人公は、ゲーム部作ってたり、世界征服目論んでたり、どこのどいつか知らんが異世界転移系の主人公もいるようだ。
「ようこそ34人目の勇者様」
34人も勇者いて大丈夫か?白い鎧を着た見覚えのある人が近づいてくる。
「君は......蒼井君?僕のこと覚えてる?志水だ、志水 祐樹、君は蒼井 能君であってるよね?」
なんだこの慣れてる感、1人目かな?となると、こいつが異世界転移系の主人公か?確証はないが、多分そうだろう。質問に対しうなづく。
「そうか、王女さん蒼井君の喉を治せないかな?」
「何か障害でもあるのですか?」
あるさ、俺は喋れないんだ。ただただ声帯潰された。王女?にジェスチャーで伝えてる。
「あ、話せないのですね今治しますのでこちらへ」
「僕も行くよ」
行く途中にここの場所と王女の名前を聞いた。ここは、ラート王国で王女の名前は、[フォーツ・アルト・ラート]だってよ。
++++
『救済の女神よ。この者に癒しを、聖なる者の願い、聞き届けたまえ』
女神ねぇ、俺無神論者なんだが。ピカーッと、喉が光ってる。なかなかのパワーワードだな。
すると、さっきまであった喉の違和感が消えていく。
「どうですか?治せたと思いますが」
「ちゃんといわかんがきえたよ」
ああ、呂律が回らない。それもそうか、4年間ずっと喋ってなかったもんな。当然っちゃ当然だわ。
「しいていうならろれつがまわらない」
「大丈夫、そのうち慣れるさ。そうだ、王女さん蒼井君をクラスのみんなに会わせたいのだがいいかい?」
「いいですよ。蒼井様がいいのであれば」
別に会っても会わなくでも変わらないとは思うが、まあ、会うか。
「いいよ。みんながどうなったかしりたいし」
「そうでからば、みな様を呼んできますが志水様はどうしますか?」
「僕は蒼井君と待ってるよ。集合場所は、食堂でいいかな?」
「ええ、そろそろお昼時ですしちょうどいいですね。料理長に伝えておきます」
その後、王女さんがどっかいって、俺と志水が残った。
「まず、ひさしぶりだなしみず」
「ああ、そうだね。君とはは半年くらいかな?元気そうでよかったよ」
「はんとし?3かげつくらいだとおもうんだが」
「そうだった、こっちの世界だと、太陽の数とかが違うからね、日付とかは感覚でどうにかしてるよ。でも、天文学者とかはいるけどね」
志水から色々聞いた。国の数や法律とか、文化の違いや教会の仕組みまで。果てはちょっとした魔法の使い方とかだな。
「ありがと、しみず。ぎゃくにしみずからしつもんある?」
「質問か、そうだ、君は女神様には会ったかい?会ってなければ別にいいのだが」
女神か、喉治した時にも聞いたが。どうやらこの世界には神様がいるようだ。
「いや、あってないよ。そもそもかみさまっているの?」
「いるさ、沢山ね。『萬の神に誓う』なんていう誓いの方法もあるよ」
そんなことを話していると、何語か解らない文字と小さく日本語で食堂と書かれた看板があって志水が入っていく。志水の後を追い続き様に俺も入る。
中は、大きな円卓の上にシャンデリアがあり華やかに飾られている。まるで皇室のような......いや、ここは王城だったな。それもファンタジー世界の、目がチカチカしてくるほど眩しい所だ。
「待っててね、今椅子を用意するから」
ついには志水まで消えた。で、志水が椅子わ取りにいってから3分後くらいに黒い影が入ってくる。「だれ?」と、聞く前に目の前が真っ白になり、意識が途絶えた。
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