もう一度キミと。

菓子焼き機

プロローグ


私は空が好きだ。



どこまでも続く、広い空



泣きたい時、大きく口を開けて笑った時どんな時でも目が合うこの景色が好きだ



小さい頃好きだった男の子がいた。



少し癖のついた髪、恥ずかしがり屋で泣き虫だった私に差し伸べてくれた温かい手



いつの事か忘れてしまったけど彼が引っ越してからはもちろん連絡なんて取っていないし今どこにいるかも分からない、でもこの空の下にいる事は確かで、私はまだ淡い初恋の中にいた



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深い眠りから覚める



ゆっくりと目を開ければカーテンから漏れた光が私の顔を照らす



「…」



ボーッとする頭を無視して騒がしく音を立てるスマートフォンのアラーム音



その音を数十秒と聴けばようやく頭が活動を始めた



「…んん」



のっそりとベットから体を動かせば煩く鳴るアラームを止める



時刻は午前6時15分、朝練に行くにはまだまだ余裕の時間だ



今日から高校3年生、高校生活最後を迎える今年は部活の引退に受験にとやることがたくさん詰まっている



「ふぁ…」



小さい欠伸をした後に身体を伸ばせばカーテンを開いて今日の1日を迎えた



うん、今日は快晴だ




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