チートスキルは貰ったのに、おっさんのままではハーレムは作れません。美少女の案内もなく、異常にモテもしません。苦労して奴隷を買いましたが、全て逃げられました。エルフの王女様に運命を感じたので頑張ります。

赤里キツネ

第一章

第1話 多分異世界だと思う

異世界。

気がついたら、そこは異世界だった。


見慣れない植物、果てが見えない街道、一飲みにされそうな巨大なカエル。

ゲコゲコ。


とりあえず、地球ではない。


ステータス、と念じてみた。


名前:〈未設定〉

種族:人間

レベル:1

職業:無し

ステータス:

 筋力:C

 体力:C

 敏捷:C

 器用:C

 魔力:C

 幸運:C

固有スキル:

 色欲増魔デウスブースト 0/3

 鑑定F

 異世界言語理解F

スキル:

 魔力操作C

 剣術C

魔法適正:

 攻撃魔法C

 補助魔法C

 回復魔法Z

属性適正:

 火C

 水C

 風C

 地C

 光C

 闇C


よく分からないけど、回復魔法以外普通っぽい?

カエルが近づいてる気がする。

ゲコゲコ。

ステータス確認しながらも、さり気なく下がる。

でも、距離が少しずつ縮まってるんだよね。


魔法を試そう。

駄目だ、出来そうにない。


剣術が有るな。

良し・・・うん、剣を持っていない。

昼寝してた、Tシャツ短パンのままだよね。


スキル・・・鑑定と異世界言語理解は分かる。

分かる。


色欲増魔デウスブースト

 ・感情をチャージしておく事により、

  次に行使する魔法の威力を増加させる。

 ・異性との間に性的行為を行う事でチャージ出来る。

 ・双方の好意度、及び行為の程度により、

  効果が増減する。


ふむ。

俺は魔法タイプのようだ。

そして、今は恐らくチャージが無い状態。

多分、そこのカエルとではチャージ出来ないだろうな。

きっとハーレムとか作れば強いはず。

後、魔法の使い方分からない。


ゲコゲコ。

アレ結構足速いよね。

こっち早歩きにしたら、気のせいか向こうも早くなってるよね。

ヌメッとした肌、体は毒が有りそうな鮮やかな緑。


パシュ


嫌な予感を感じ、飛び退いた場所を、カエルの舌が襲う。

10メートルくらい伸びたよね。

ずるいよね。


カエルが飛び上がる。

当然、一気に距離を詰められる。

攻撃は、距離が遠い程減衰する。

距離を詰めればそれだけ有利となる。

口を開けた、舌が見える。

奴が落下する頃には、自分は胃の中だろう。

詰んだ。


ザシュッ


緑の光が無数に飛び、カエルが細切れになる。

なむなむ。

これはきっと俺の秘められた力が覚醒した。


「キミ、大丈夫?」


違った。

声をかけてきたのは、エルフの青年。

超美形だ、妬ましい。


「助けてくれて有難う。・・・男かあ」


美しい金色の髪、鋭く蒼い瞳、尖った可愛い耳、鈴を転がした様な美しい声。

これで女性ならなあ。

人によっては男性でも構わないのかなってくらい美形だけど。


青年は困ったような表情を浮かべると、髪を揺らしつつ頭を振り、


「びっくりする程失礼だね、キミは」


気分を害したようだ。

謝っておこう。


「申し訳無い。こういう異世界転移物の約束として、直後に可愛い女の子に出会って、そのままねんごろな関係になれるっていうのが一般的だからさ。つい」


青年は溜息をつくと、


「頭の悪いラノベだか、アニメだかの見過ぎだよ。現実の異世界転移や転生は残酷なものさ」


ラノベやアニメが通じるのか。

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