約束のブレスレット
斉藤 尚隆
序章
守りたかった未来
約束と正義は時として
ふわりと揺れた深紅の髪は、暗雲の下で赤黒く散った。
崩れ落ちる女性の体躯を正面から抱きかかえれば、生温かいものが胸部に染み込み、二人の間に
刃こぼれし、血塗られた剣の柄が震える手からぬるりと滑り落ちる。身体が芯から戦慄き、まるで力が入らない。
視界から色が、抜け落ちていた。
目の前の現実は到底受け入れられるはずもなく、今にも胃を捻り切らんと握り潰されるような痛みが突き刺さる。
名前を呼ぼうと息を吸っても、情けないほどに震えて音にすらならなかった。
———————正義は約束を反故にさせ、
約束は正義を捻じ曲げさせるのだから
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