第13話 ヘイ!黒!!

まあ本当に変わった人間だ

最初にあった時から

今までの生活も見ながらつくづくそう思う


黒は言った

我々を倒す力が欲しいお前にも有益な話だと


黒は嘘は言うまい

ならば私のこの着ぐるみの変身能力は

黒たち十字架を倒すための力となるのだ

そこに嘘はない


奇妙なことに私は黒を心から信頼していた

というより黒のこの言葉こそ最後の希望だった

希望というには人間というのはほかにやることもないように思うが

別にこの十字架の種族に監視され時に傷つけられようとも

自身の思う幸せを感じることができれば

ほかにいうことはない

人間は自己満足な生き物だ


しかし私は知ってしまった十字架の存在を知ってしまったからには私の幸せはそこにしかなかった


いけ好かない十字架に痛い目を合わせて

私の知りうる限りで人類を十字架の監視から解き放つ

それがどんな結果になっても


多分この女は俺がこいつの、メグミちゃんのそんな考えを読んでいることすら知っている

そしてそれをどうやってかなえようとしているかその方法も知っている

その方法は一瞬の勝負だ

巨人との戦いの中俺はメグミちゃんのサポートは一切していない

なぜならメグミちゃんは俺の敵でもあるからだ

メグミちゃんはその勝負の一瞬を常に狙っている

メグミちゃんはほんとに孤独な戦いをしている

常に三対一で戦っている

すげえ女だ


どうした黒考え事か?


軽々しく俺に話しかけるんじゃねぇよ人間


そいつは失礼した


二人で笑いながら富士の樹海を歩く

俺は嘘でなくこのコンビを結構気に入っていた。

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