第4話 命短し頑張れ青年

そんなに強く蹴ったかな~?


むすーっとした表情でメグミちゃんを見つめる包帯だらけの青年が一人

キリッとした眉毛と厳めしくした表情の中にどこか子どもな匂いを感じる。


あんたずっと何にも言わないけど、ここはおねえさんがおごってあげるから、食べたいもの食べなさい。


あんた何者なんだ?


名前はメグミ、福岡出身のOLこっち来て1年くらいかな


何であんなことできる?


黒い十字架が突然現れて着ぐるみをくれてねそれを着たら巨大化して光線をはくことが出来るようになったの。


あんたは?


また無言でこっちをにらみつける


何が目的なんだ?


地球を壊すんでしょ?あんたがそう言ったじゃない。


そうだ白いやつから聞いた。

お前は宇宙人で地球の資源を狙って侵略しにきたんだって

それを防ぐ為に俺に戦って欲しいと


それを鵜呑みにしたの?


もちろんそのまま信じてるわけじゃ無い!

ただあいつの言ったとおりあんたが現れた。

しかもあんたは人を踏み潰し、民家も踏み潰した。

とりあえずお前を止めるために白い十字架の言うとおりにしたんだ。

その力とやらを使う前に蹴り飛ばされちまったけどな


なるほど


メグミさんは普通の人間のように今はみえるもうあんなことしないでくれ。

そうすれば、俺も何もしない


それは違う


口には出さずにそう思いながら無言のまま立ち上がったメグミちゃんは飲み代を全て払いそのまま店を後にした。


青年が呼び止める声に振り向くことは無く彼女はただ真っ直ぐに自分の家を目指して夜の街を歩く

その後ろ姿を見ながら察しの良い青年は彼女をひどく失望させたことに気づいたが自分の何に彼女が失望したかはわからぬまま

走れば追いつきそうなスピードで去っていく彼女の姿を月を背にして見送っていた。


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