着ぐるみ怪獣メグミちゃん

@dantuzidou

第1話 メグミちゃん爆誕!!

白い十字架が空から降りてきて

私の家の天井をすり抜けて目の前まで下りてきた。

中心に目を持ったそれは目玉をぎょろぎょろと動かして私を見据えた

徹夜のゲーム明けで血走った私の眼とそれは合わさり最初の言葉を放つ

「人間か」

じゃあお前は何なんだ

「私は人間ではない」

見ればわかる

「貴様に力を授けよう」

何のために

「我々のためだ」

まばゆい光に包まれて私の家全体が光に消えた

朝焼けの中田んぼのど真ん中に巨大な少女が全裸で聳え立った

「ギャーーーーーーーー」

その雄たけびで鳥は騒ぎ田んぼは波打つ

なんだなんだと近所の人が外に出てきて

朝っぱらから少女の裸を見る

巨大な少女は身を縮めあらん限りに裸体を隠すが

隠しきれたものではない

「ふむ失敗か?」

白い十字架は再び光を放ち少女をもとの姿に戻した。

服も元通りに

夢だったのか

「違うそうではない」

落ち着いた紳士のような声で十字架は話す

「服を巨大化することに失敗した」

「また挑戦する」

上に浮かんでいく十字架をしがみついて制止する

「何の用だ娘よ」

「説明してくれ」

「よかろう、理解できるか?」

「貴様は小さい」

確かに私は高校3年生なのに140しかない

「なぜ小さいと思う」

遺伝

「そうではない」

「人は大きくなるパワーを秘めている」

「大体それは限界まで解放されて大人になる」

「しかしお前は途中でそれが解放されずに蓄積されたのだ」

なんで?

「それを我々も知りたい」

さっきの大きくなる現象は

「その大きくなるパワーを解放したのだ」

なんで?

「実験だ」

「我々はもっと知識を得たいと考えているそれ以外に理由はない」

実験、、、

「そうだ、また来るだろうさらばだ」

すーっと天井を抜けた

「恥ずかしかったー」

近所の人みんな覚えているのだろうか


5年後

「よう」

今度は黒い十字架が地下から現れた

「黒くなったな」

「俺は白いのとは別物だ」

へー

「願いをかなえてやる」

なんで

「俺の味方になれ」

「俺らはゲームをしてる」

「ゲーム?」

「知ってるぞお前、俺らのこと嫌いだろ」

確かにいけ好かない

なんの許可も取らずに人で実験して好き勝手やってるお前らが

「お前は頭もいいもう気づいてるんだろ俺らとお前らの関係性に」

そうだおそらく我々はこいつらの家畜だ

実験動物だ

「それをどうしようもないことだと理解してかつその枠の中で生きようとした

 お前もかなり特殊だ」

そう、私はあの後あの十字架のことを調べた。

大学に行って就職もしたが

ずっと調べただけど

何もわからなかった

「お前らは俺らに一方的に知られている存在」

「お前らは俺らから話しかけなきゃ俺らに気付きもしない」

遊ばれてる

飽きたら捨てられるかもしれない

そんなことが悔しい

「そんな奴は初めてでな興味がわいた」

「というか俺らと同じかもしれない」

何のことだ?

「まあ今度話そう」

「それよりまた俺らの遊びに付き合ってくれないか?」

「いいよ」

「いいね」


黒い十字架が床に刺さるとそこには真っ黒な穴が開き

スーッと着ぐるみが出てきた

緑色の皮膚にしっぽしっぽから頭まで黄色いとげが連なって生えて

おなかは鱗で白く爪は黄色

顔を出すところがついてる

「着ぐるみ?」

「そうだこれを着て戦ってもらう」

「誰と?」

白いやつがでっかい男を連れてくるから

悪魔のような声だ

お前の望みは

「お前らを倒す力がほしい」

そうだろ?

それは俺らの利害と一致する

これ着て戦え

着て

「ガオーってほえろ」

「ガ、オーーーーーーーー」

ガで光を放ちオーでみるみる大きくなった

私も就職して一人暮らしそこはまた朝焼けだったが

大都会東京東京タワーの近く

前と同じよう巨大化したが今度は裸ではなかった

怪獣の着ぐるみを着た無表情女がそこに立っていた

近所の迷惑婆の家が見えたので踏んでおいた。

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