第77話 サポート協議会
とある大手ギルドの副GMが、ベルラインを自分の所のGMに据えようと邪な考えで作られたのが、サポート協議会だ。
建前は、ギルドの垣根を越えて、女性が楽しめるVFGXライフをとそれらしいものを取ってつけていた。
入会条件は、副GMで女性である事。
創設者は、たいして人数は集まらないだろうと思っていたが、意外に人気が出て、かなりの人数が集まってしまった。
更に、会長、副会長の選挙まで行われ、あっさりとターヤ、ルビアに乗っ取られてしまった。
運営は、彼女らの集まりに対して、会議ルームを特別に与えた。
ギルドルーム以外で、特別なルームが許されているのは、サポート協議会だけである。
「今回は、私どもの不手際で誠に申し訳ありません。」
開口一番、ターヤは、ギルバルトとベルラインに謝った。
「「・・・。」」
「うちのGM(バカ)が、カルディナさんにゲストキーを渡しておりまして。」
「「えっ!」」
「私も一応、注意はしてたんですが、本日、ルビアさんと遭遇したそうです。」
「「・・・。」」
「ルビアさんは、サーラさんの事になると頑固な所がございまして・・・。」
「議題に出すと?」
ベルラインが聞いた。
「恐らく。」
「その前に一つ聞いておきたいんだが、そちらでカルディナが迷惑を掛けるような事は?」
ギルバルトが聞いた。
「その点は、大丈夫です。うちも魔女の集まりですから、ガチの対応は、皆、慣れてるようです。」
「そうですか。」
「それに、うちのGM(バカ)とは気が合ってるようで。」
「そうなってくると、問題は、副会長のみか。」
ベルラインが言う。
「そうですね。いくら私が会長と言えど、議題にあがれば、取り上げるしかありません。」
「うちのギルメンの為に、わざわざすまない。なんとかこちらで手を打っておこう。」
ギルバルトが言った。
「私もサーラに・・・。」
ベルラインが言った。
「いや、教会は刺激しない方がいいだろう。」
「そうですね。意固地な方ですから。」
「そ、そうか。」
「それでは、今回の件は、ギルバルトさんにお任せします。」
「本当、迷惑をかけてすまない。」
「いえいえ。それにしても今まで隠し通せたのが、不思議でなりませんね。」
「色々、ギルド以外にも協力者がいてな。それでどうにか・・・。」
「あらまあ。カルディナさん。」
ターヤは、さっきから申し訳なさそうに黙っていたカルディナに声を掛けた。
もちろん、カルディナが申し訳ないと思ってるのは、ベルラインに対してだけなのだが。
「いつでも、遊びに来てくださいね。」
「えっ・・・いいんですか?」
「羽目を外さなければね。」
そうニッコリと釘を刺して、ターヤは帰って行った。
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