エンドウ

「遠藤!!」


どこかで太い声がする。


えんどう‥‥?


えんどう、それ何だ?


エンドウか。


いや、遠藤か。


いやいや、Endouか。


だれかが、私の肩をつかむ。


「遠藤!何をやってんだ!早くしろ!」


ああ、汚い声だ。


ああ、なんて汚らしいんだろう。


その声の持ち主の顔は、


きっと邪悪にまみれていて、


椿の家を壊した、


あいつにそっくりなんだろう。


私はゆっくりと、


振り向いた。


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