第22話 その状況に、シャルルは恐怖した!

 その状況に、シャルルは恐怖した!

『ノリトさまぁ~!! 』

今にも飛び出さんとの勢いで、ノリトの名を叫んだ!


「(ふにゅ~ 姫様メロメロですねぇ…… 

でも? あの鐵面皮・・・の何処が良かったのかにゃぁ? 

確かに顔は…… 元はイケ面だけど、知ってはいないのにねぇ?? )」

と、ミオは戦闘とは関係ない事が、非常~に気になった……


「(もしや、重度の甲冑フェチかにゃぁ?? ) 」

と、若干失礼な事を思ったのは内緒だ!


ノリトは迫り来る魔刃へと視線を向ける事も無く、双剣を横薙ぎに振るい雷撃を放つ!

「ばかな! 魔法を使えぬ能無しだろう! なぜ雷撃が撃てる!! 」

騎士団長が目を見張り叫ぶ!


「この策は悪くは無いのですが、 一工夫が足りないですね。

さて、この辺で終わりにしましょう 」

放つ雷撃は最弱…… だが、軽装騎兵達はその場に崩れ落ちた!

ノリトの放った電撃で失神してしまったのだ。


ノリトはそのまま雷弾・亀ライトニング・タートルへは肉薄せず、ソードバインダーを展開させる。

雷撃はノリトへと迫るが、全て双剣アロンダイトで切り伏せる。

「砲陣結界!  我が進軍を阻みしモノを拘束せよ 、重力結界グラビティー 」

ソードバインダーは雷弾・亀ライトニング・タートルを取り囲むように展開すると、重力場を作り出し、騎士達を地面へと縫いつけはじめた!


「ぐっぅぅっ! かっ身体が…… 」

「ぐぁわぁぁっ! なっ、何がおきてぇ…… 」

「ぎゃぁぁっ! つっ潰されぇぇてぇ …… 」

次々と、崩れ落ち…… 地面へと倒れゆく騎士達。

重力の牢獄に囚われ、徐々に地へ這う……


ノリトは、重力を徐々に掛けていた。

いきなりの高重力を掛けると、抵抗される事で思わぬ怪我をするからだ。

あくまでも模擬戦闘であって、怪我等負わせてはならないと思う。

例え、騎士達が自分やミオに対して侮辱や侮蔑した所で気にもならない。

怪我をさせる事で、怨恨を芽吹かせる事の方が問題だと考えていた。


どれ位の時間だろう、重力へと囚われた騎士達にとっては長い時間と感じた事だろう。

しかし、実際は一分も掛からず、全ての騎士が重力場で気絶していた。


その状況に、闘技場に居た者達は絶句した!

ノリトは傷一つ負っていない、それどころか一撃も受けていなかったのだ。


ノリトの視線に気付き、王が終了を宣言する!

『この模擬戦闘は、ノリト殿の勝利とする! 』


続き、アイギスが指示を

『騎士団及び魔法師は負傷者の確認と治療へとあたれ! 

事後の処理は、副神官長の指示の元行う事とする! 』

副神官長へと耳打ちするとアイギスは王へと向き直り、なにやら話しはじめた。


ミオの居る場所へとノリトが歩いてくる。

その足取りには疲れ等見当たらず、まるで滑るようにやって来た。

実際に地上より数センチ浮き上がり、滑空していたのだ。


『ノリト殿、ミオ殿、別室にて今後の事を相談させて欲しいのだが……

宜しいかな? 』

アイギスが声を掛ける


「アイギス殿、 こちらはそうして頂くと助かるのですが……

なにより、この世界には頼れる者はいないのですから 」

と頭を下げた


『ノリト殿、 すまぬがもう少し話に付き合って貰う事になるな。

別室にて準備が整う頃であろう。

シャルルに案内させよう 』

そう言うと、シャルルへと案内を頼んだ。


『ノリト様、ミオ様、ではご案内いたしますね 』


「よろしくお願いします 」

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