二兎

あの時二兎

殴り合い蹴り合い

始めの思い

好きで知りたいって

雌としてじゃなくて

雄としてじゃなくて

兎として


戦いを求める俺達

強く成ると決めて


見れば分かった

苦しいと

それでも苦しいと訴える目を

閉じて何時でも笑って

弱い所を見せないと頑張る兎の


見れば分かった

苦しいと

それでも背負い切ろうと

背中を見せずに笑って隠して

一人で全て守ると頑張る兎の


側に居たい

知りたい


強く強く呟き叫びながら

別れ進んで力だけ付けて


再開した二兎

殴り合い蹴り合い

気が付いた


二匹の人食い兎は弱いんだと


大切なモノが死ぬ事に耐え切れず

独りで背負うと言う逃げ道を


大切なものが苦しむのを

隣で見守る事に耐え切れず

戦いと言う逃げ道を


何千回殴られても倒れ無かった

二兎は

仲間とお互いの涙で沈んだ

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