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「しかたない。」
「へへ、ありがと。」
佐助さん。
こっちはおかげさんで、毎日バタバタです。鷹に構う暇もなくて、これもチノメアの計算なんじゃないかと思います。でもまぁ、弱音や愚痴をこぼす暇もなくて、鶴丸と二人,、挫けないで頑張ってます。今でも佐助さんが全部演技だったとは思えなくて、天職なんじゃないかって、
「……消しゴム貸してぇな。」
「だめ、一度思ったことは、訂正しない。」
「なんや急にカッコエエこと言って。」
……なんでもないです。気にしないでください。
佐助さんとチノメアには、本当に感謝しています。こうして鷹と幸せに暮らしていられるのもチノメアのおかげだって、いつも思ってます。
忙しくてあっという間の日々が、鷹といることでまた更にあっという間になって、俺もどんどん年を取って、鷹も大人になっていくんだな、とか。色んなことを考えます。最近身長の伸びが著しいから、あと何年かしたら俺を超すんじゃないかと思います。佐助さんのことも。
そうなったときも、鷹は俺のそばに居てくれるのか。
なんて、女々しいことを考える組長はダメですね。
ずっとそばに居てくれ。
って、しっかり言えるようにならないと。
……佐助さんの手紙に、なにを書いているんだ俺は。
「やっぱり消しゴム。」
「だめ。」
たくさんの奇跡が重なって、今こうして鷹といられる。
そのことを忘れないように、鷹をずっと、ずっとずっと大事に守り抜いていきたいです。
鷹にたくさんのことを教えてあげるんです。
俺がどんなに、想っているかも。
……だからなにを書いているんだ俺は。
内緒ですよ。
「鷹。」
「ダメったらダメ。」
「好きやで。」
「だっ!そんなこと言っても、だめっ!」
「そういう意味やないってー。あ、小指。」
「こゆび?」
「はは、なんでもなーい。」
PS。
社長さんから、佐助さんの雰囲気が180度変わったから、どうしても昔みたいに接せないー的な電話がきました。人の恋路にちょっかいだしとらんで、自分たちの恋路をなんとかしたほうがいいんじゃないですか。いい年なんですから。
「なぁ、鷹。」
「つ、次はなに!」
「チョコのオマケは、なんやと思う?」
「え?」
「それはな、」
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