それからしばらく"あそんでいるだけ"は月一のペースで始動し、サトルがふざけて作る楽曲をトシが合わせてくれるので、

サトルにとって、趣味のトレンド1位にまでなった。

するうち、1年ほど経って10曲ほどの楽曲になり、YouTubeで動画をあげて楽しんでいた。

と、そのうち、自作曲を繰り返し聞き、自らのYouTubeをみていて、無意識に呟いた自らの声を聞いた。

「フォトジェニック。」

サトルは元来、音楽すきであったが、いかんせん、ボーカルはまずかった。

トシはカッコよく歌ってくれるので、ボーカルはトシでも良かった。

しかし、自ら上げたYouTubeを、みていると、男2人、華がないなー。と思ったのである。

もちろん、2人でスタジオを楽しんでいるだけなのだから、この後もこのままでもいいのだが、

サトルの脳裏に梨奈の存在が浮かんでしまうのであった。

梨奈は歌うのがすきだったからだ。

或る飲み会のとき、トシに梨奈をバンドに誘っていいかとたずねたら、吝かでなかった。その感じに後押しされて、連絡を試みたいが、いかんせん1年ほど連絡は取っていなかったし、もう、梨奈も既婚の身であったので、ためらった。

サトルは遂に、やはり連絡とるのを断念する旨、伝えたら、寧ろ、サトルからの提案なんだから、誘ったらいいじゃないか、ということで、おそるおそる梨奈への連絡を試みたのであった。

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